パリ五輪を目指すU-21代表が再始動。3日間のショートキャンプで指揮官が求める“タフさ”をアピールできるか

2022年05月10日 松尾祐希

活動がスタートする前にアクシデント

新たな選手の台頭がチームの強化に繋がる。大岩監督が重要視している“タフさ”を表現してアピールできるか。写真:松尾祐希

 2年後のパリ五輪を目指すU-21日本代表が再び動き出した。

 大岩剛監督が就任して3度目の活動となる今回の千葉合宿は、5月9日から11日までのショートキャンプ。6月3日に初戦を迎えるU-23アジアカップの開幕前最後の活動となるだけに、この3日間は1秒たりとも無駄にできない。戦術の浸透、メンバー選考など、限られた時間を有効活用すべく、大岩監督の手腕が問われるのは間違いない。

 しかし、活動がスタートする前にアクシデントに見舞われる。MF松村優太(鹿島アントラーズ)、MF本田風智(サガン鳥栖)、MF松岡大起(清水エスパルス)、MF鈴木唯人(清水エスパルス)、MF藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)、FW藤尾翔太(徳島ヴォルティス)の6名が怪我やチーム事情などで活動前に招集を辞退となったのだ。

 3月のドバイカップに参戦していた松村、鈴木、藤田、藤尾はチームのコアメンバーで、大岩体制下で初招集となった松岡や本田も主軸候補のプレーヤー。とりわけ、リーダー候補の松岡は怪我で過去2度の合宿に参加できておらず、大会前最後の活動で戦術理解を深める機会が失われた。

 ただ、すべてがマイナスに働くわけではない。今回の活動に参加している26名のうち8名が初選出で、5名は3月上旬の立ち上げ合宿以来の代表招集となる。9日の練習後に大岩監督は「今月末から始まるU-23のアジア選手権への準備という位置付け」と合宿の目的を話していたが、サバイバルレースの要素が当初より強くなったのはプラス材料だ。
 
 今回は短い期間の活動で、ゴールデンウィークの連戦明けに実施されている状況を踏まえれば、負荷の掛かるトレーニングはそこまで望めない。合宿初日も先週末のリーグ戦に出場した選手たちが軽めの調整で終えるなど、疲労を考慮したメニューが組まれていた。

 本格的にトレーニングできるのは実質10日の1日のみ。練習でのパフォーマンスも重要だが、最終日に組まれている大学選抜とのトレーニングマッチでのアピールがポイントになる。
 

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