とてつもない存在感を放つ189センチの超大型CB東廉太。J1の助っ人FWとのバトルで得た学び

2022年05月10日 安藤隆人

まさに最終ラインの“防波堤”のように

流通経済大柏戦ではヘッドで1得点の東。守備でも好パフォーマンスを見せ、2-1の勝利に貢献した。写真:安藤隆人

 彼がいなかったら、結果は大きく違っていたかもしれない。

 5月8日に行なわれたプレミアリーグEAST第6節の流通経済大柏戦で、FC東京U-18の189センチの超大型CB東廉太が、とてつもない存在感を放った。

 凛とした姿勢で全体を見渡し、的確なコーチングで周りを動かすと、9分には左CKからMF松本愛己のキックをドンピシャヘッドで合わせて先制点をもたらした。26分には同点に追い付かれてしまうが、38分にFW熊田直紀のゴールで再びリードを奪うと、ここからが東の本領発揮だった。

 後半、試合は流通経済大柏の猛攻の前に防戦一方となった。前線からのハイプレスと、ショートパスとミドルパスを組み合わせた相手のハイテンポな攻撃に対し、東は頭をフル回転させて冷静に対応する。

 63分、流通経済大柏のMF橿本心のグラウンダーのクロスに対し、東は高速スプリントでニアサイドのスペースを埋めて、相手FWに渡る直前でボールをかっさらうと、すぐに味方にパスを繋いでカウンターの起点となった。

 75分にはFW堀川大夢のペナルティエリア内でのドリブルに対し、素早くコースに入ると堀川に上手く身体を当ててノーファールでボールを奪い取った。89分にはボックス内に侵入したDF吉野一汰のクロスに対し、素早くカバーリングに入り身体を張ってブロック。まさに最終ラインの"防波堤"のように相手のチャンスをことごとく潰し、2−1の勝利に大きく貢献した。
 
「前々節はトップの活動で、前節は怪我でユースの試合に出られませんでした。でも、この2試合でチームが負けなしと勝点を稼いでくれたので、僕が出るからにはその流れを途切らせてはいけないという責任感が強かったです。この仲間と苦しみながらも勝ち切ることができて嬉しいです」

 今季は2種登録でトップチームにも絡む東は、3月15日に行なわれたルヴァンカップのジュビロ磐田戦(△0-0)でプロデビューを飾る。エンリケ・トレヴィザンが退場処分になった後を受けて62分に投入されると、落ち着いたプレーを披露。これを受けてアルベル監督は、4月13日のルヴァンカップ・湘南ベルマーレ戦で東をスタメンに抜擢。試合は1-2で敗れたが、東は得意の左右両足からのフィードと対人能力の高さを発揮し、周囲を唸らせるようなプレーを見せた。
 

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