SBで187センチ! 圧倒的な高さに加え、優れた攻撃性能も備える拓殖大2年DF関根大輝は注目必至の逸材だ

2022年05月04日 安藤隆人

「攻めることが好きなので、前に行けて楽しい」

長身SBとして注目を集める関根。今後のさらなる成長が楽しみなタレントだ。写真:安藤隆人

 187センチの右サイドバック。このフレーズだけで大きな期待と希望を持ってしまう。

 拓殖大の右サイドバックを務める関根大輝は、現在大学2年生。圧倒的な高さに加え、静岡学園仕込みの足もとの技術があり、ドリブル突破も得意とする万能型DFだ。

 近年、世界的に見てもサイドバックの大型化は進んでいる。アクラフ・ハキミ(180センチ/パリ・サンジェルマン)、ジョアン・カンセロ(182センチ/マンチェスター・シティー)、アルフォンソ・デービス(183センチ/バイエルン・ミュンヘン)、テオ・エルナンデス(184センチ/ミラン)などが挙げられる。

 大型化のメリットとして、高さを生かした空中戦の強さを駆使して、特に逆サイドからのクロスの応対がスムーズになる。球際の強さ、対人の強さも守備面で大きなメリットを生み出す。

 もちろん、ただ大きいだけではなく、そこに足もとの技術、スピードがないとその効力は伴わない。前述した選手はすべて該当しているのが前提だ。日本で言うと185センチの酒井宏樹がそれに当てはまる。だが、それに続く選手がいるかと言われると、大型サイドバックという括りではいないのが現状だ。

 関根は、静岡学園時代は攻撃的なセンターバックとして君臨していた。最終ラインでコントロールをしながら、ボールを持つと相手FWのプレスをかい潜ってボールを前に運び出してから、展開のパスだけでなく、スルーパスも供給。時には2列目の選手を追い越してドリブルで一気に運んでいくほど、攻撃が好きな選手だった。

 右サイドバックにコンバートされたのは、昨年度の関東1部リーグ後期の流通経済大戦だった。

「これまで一度もやったことがなかったので、本当にびっくりしました」と本人は語るが、この新天地でその特性がかなり生きた。運ぶドリブル、突破するドリブルがサイドバックでは必要な要素で、より縦のスペースが空いていることで仕掛けられる回数が増えた。
 
 さらに視野も限定されたことで、中のスペースや状況がよりクリアに把握できるようになり、ダイアゴナルの仕掛けの回数も増え、そこからの展開力も発揮できるようになった。

「意外にできたというか、感触は掴めました。もともと攻めることが好きなので、前に行けて楽しいと思えました。それに日本や世界を見ても、小柄で速いサイドバックが多いからこそ、長身サイドバックは新しいサイドバック像を作れるのではないかと思っています」

 右サイドバックとして自身のポテンシャルと活路を見出した関根は、課題である対人や攻撃参加のタイミングを学び、自主トレにも取り込んだ。静岡学園の1学年上先輩でもあるチームメイトのMF浅倉廉など、先輩ドリブラーに勝負を挑んで守備を磨き続けた。
 

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