【SBSカップ】「やってはいけない形」で敗れたU-18代表。この教訓を次戦へ活かせるか?

2015年08月15日 安藤隆人

「真ん中を固められているのに、中央ばかり攻めてしまう悪い癖が出てしまった」(内山監督)

前半に2失点したU-18代表は、反撃も1点に止まり敗戦。攻守に課題を残す内容となった。 写真:安藤隆人

 静岡で開催されているSBSカップ。10月にラオスで開催されるU-19アジア選手権予選を控えた内山篤監督率いるU-18日本代表は、U-18スペイン代表との初戦をPK戦の末にモノにしたものの、静岡ユース(静岡県選抜)との第2戦では前半だけで2失点し、1-2で敗れた。
 
「マークがズレて背後を突かれるなど、厳しい場面もあった」と、内山監督が語ったように、11分にカウンターから失点。さらに40分にも、相手の思い切りの良いシュートをGK小島亨介が弾き切れず、こぼれ球を押し込まれて追加点を許した。
 
 U-19アジア選手権予選を見据えれば、2失点とも"やってはいけない形"だ。多くの国が日本に対し、ブロックを固め、カウンターを仕掛けてくることが予想される。さらに、遠くからでも迷わずシュートを狙い、ワンチャンスを活かそうと目論んでくるだろう。だからこそ、守備陣は一発でやられることは御法度なのだ。
 
"やってはいけない形"は、攻撃面にも見られた。2点をリードし中央を固めてきた静岡ユースに対しサイドアタックを仕掛けたものの、クロスの精度が低く相手の守備陣形を広げるには至らない。SBの攻め上がりを活用する場面も少なく、どこか淡泊に終わった印象は否めなかった。
 
「真ん中を固められているのに、中央ばかり攻めてしまう悪い癖が出てしまった。サイドを突けば、必ず真ん中が空いてくる。そういう攻撃を徹底してやりたかったんですが……。この試合では、もっと選手たちが共有して戦わなきゃいけない部分がたくさん見られました」(内山監督)。
 
 今後に向け大きな不安を残す一戦だったが、重要なのはこの試合で得た教訓を活かすこと。取り返しがつかなくなる前に、U-18クロアチア代表との最終戦でひと味違った姿を見せてほしい。
  
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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