【W杯】たとえ02年のサウジのように0-8で敗れたとしても…。グループリーグでドイツ、スペインと戦えるのは最高だ

2022年04月08日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

ベスト8以上を目指すなら大国をひとつは倒さないといけない

カタール・ワールドカップのグループE。プレーオフの勝者は、コスタリカかニュージーランドのどちらになっても、日本にとって強敵になる。写真:©GettyImages

 カタール・ワールドカップの組分け抽選会、第1ポットと第2ポットの顔ぶれを見て、どのグループに入っても厳しいということは容易に予想できた。しかも、第1ポットには同じアジアのカタールがいる。日本と同居した他のチームが喜ぶ構図ではないかと想像していたなかでの抽選結果に、さして驚きはなかった。

 ワールドカップという至高の舞台で、スペイン、ドイツと戦える。これは選手たちにとって、とてもハッピーなことではないのか。日本にとって、ワールドカップ優勝国と2試合、グループリーグで対戦できる機会など滅多にないはずで、この経験が選手たちにもたらすものは計り知れない。

 最悪のグループとの見方もあるようだが、そもそも考えてほしい。日本サッカー協会が掲げた目標は「ワールドカップでベスト8以上」ということを。準々決勝に到達するまでには、少なくともサッカー大国と呼ばれるチームをひとつは倒さないといけない。14年ワールドカップのコスタリカ(グループリーグでイタリアに勝利し、イングランドとドロー)、02年ワールドカップのセネガル(グループリーグでフランスを撃破)などの勝ち上がりを見れば、それは理解できるだろう。

 グループリーグ突破が最大の目標なら、今回の抽選結果は「最悪」に映るかもしれない。ただし、目標がベスト8以上なら捉え方は変わる。本大会でサッカー大国と戦うのは当然、そこを打ち破る算段があるからこそ日本サッカー協会は「ベスト8以上」という目標を掲げたはずだ。ベスト16までは行けているから次はベスト8という、安易な発想ではないことを祈りたい。
 
 ベスト8以上を目指すなら、サッカー大国のように決勝トーナメント以降の戦い方も見据えたプランを練る必要がある。正直その域に日本がいるとは思えないが、果たして……。そういう点でも日本がどう戦うかは興味深い。

 メンバーが不確定な現時点で勝敗などを予想するのはあまり意味がないだろう。ただ、ひとつ確かなのはドイツと初戦で、スペインと第3戦で戦える意義は大きいということ。02年大会のサウジアラビアのようにグループリーグ初戦でドイツに0-8と敗れても、個人的にはいいと思う。ワールドカップで文字通りのサッカー大国と真剣勝負できる、そこでとてつもない経験を積める、そこにこそグループEに組み込まれた価値があるのではないか。

 ワールドカップでサッカー大国と対戦できれば、それで世界基準を知ることができる。そういう経験こそが日本サッカーの発展にとって重要な要素のひとつであり、その視点から言えば──。グループリーグでドイツ、スペインと戦えるのはやはり、最高である。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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