【指揮官コラム】特別編 三浦泰年の『情熱地泰』|ムエタイから学べるサッカーの動き

2015年08月11日 サッカーダイジェスト編集部

50歳になってできた新しい友人はムエタイの師匠。

熱気溢れるムエタイの試合会場。国民的スポーツであるだけに、ビッグマッチともなれば盛り上がりも尋常ではない。

 先週の日曜日はサッカー観戦をせず、タイの国民的スポーツであるムエタイのビッグマッチを友人と一緒に観戦しに行った。
 
 18時30分スタートが30分遅れ、19時から試合が始まり、子ども、女子、男子の前座試合とタイトルマッチも含め4試合を見た。
 
 一緒に行った友人とはチェンマイで知り合い、ムエタイにも深い関わりがある。彼は若い頃、ムエタイの選手でもあり、1993年にはK1に誘われたこともあるほどの格闘家だ。
 
 その友人との出会いは、彼がD1の4節・スコータイ戦をチェンマイFCのホーム700年記念スタジアムに観戦に訪れた時のことだ。試合は2-2の引き分けに終わり、彼が帰路に就こうとした瞬間、相手スコータイのベンチ前でチェンマイFCの選手と相手監督が揉め、乱闘になりそうになった。その時、一番初めに反応し相手ベンチに駆け寄った自分を見て、「この人は面白い、違うぞ!」と思ったようで、サポーターへの挨拶が終わった後、声を掛けてくれた。
 
 元々、彼は中学の教員であった頃、サッカー部の監督をやっていたのだが、同時にチェンマイにあるジムに通って自らのムエタイを極めようとしていた。とりわけ夏休みは、部活はコーチに頼み、1にムエタイ、2にサッカーというスタンスを貫く珍しいタイプの教員だったらしい(笑)。チェンマイには20年前から縁のある友人だが、現在は教員を退職して、1年前からチェンマイに住み込んでいる。
 
 僕より年齢はひとつ上であり、お互いに50歳になって新しい友人ができるのは珍しいが、そうした縁でムエタイについても学ぶ機会が増えた。
 
 そんな彼がひとりの女子大生にムエタイをレッスンしている。毎朝、月曜日から土曜日まで朝の7時から1時間半程度、彼の住むマンション横の芝生スペースを使って、内容は体験しないと説明は難しいが、心身統一させる動きの練習から実戦のミットまで……。
 
 僕も3月下旬から参加させてもらってきた。今は毎朝、このトレーニングから1日をスタートさせている。彼女が一番弟子、僕が二番弟子だ。
 
 そしてこの練習は、どのスポーツにも通ずる動きだと思い、僕の友人たちにも紹介して、今までに数多くの人が参加している。

次ページムエタイの指導で逞しく成長していった彼女。

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