【韓国メディアの視点】自国の優勝に祝賀ムード一色。ライバルの不振には「どうした日本!?」

2015年08月11日 慎武宏

監督の意図を無理矢理“お仕着せ”られている印象。

韓国戦は山口のゴールでドローとした日本だが、どこか攻守に噛み合わない展開が続いた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 8月9日に閉幕した東アジアカップ。ウリ・シュティーリケ監督率いる韓国代表が7年ぶりに優勝に輝いたこともあって、韓国メディアの論調も祝賀ムード一色だ。
 
 各メディアの大会総括もシュティーリケ・コリアの成果と課題で多くが占められているが、「"日本のおかげ"で韓国サッカーが7年ぶりに東アジアカップ優勝」(『MBN』)との見出しもあったほどだ。
 
 韓国の大手ポータルサイト『NAVER』で連載を持つサッカージーナリストのソ・ホジョン記者も言う。
「結果的に大会は韓国の優勝で終わりましたが、勝因のひとつには日本の不振も挙げられるでしょう。ハリルホジッチ監督が就任して日が浅く、準備期間が少なかったこともありますが、記者席で見ていて"日本はどうしてしまったんだ!?"という感じがしました」
 
 中国・武漢でハリルジャパンのサッカーを取材できることを楽しみにしていたというソ・ホジョン記者からすると、東アジアカップでの日本代表は"期待外れ"だったという。
 
「ハリルホジッチ監督になって、日本が"うまさ"から"強さと激しさ"を求めるサッカーへの転換を図っていると伝え聞いていたので、どれだけ変貌したのか楽しみにしていましたが、失望気味の結果でした。北朝鮮戦の立ち上がりや韓国戦の前半など、要所要所では悪くなかったと思います。なかでも中国戦は最も動きが良かった。
 
 ただ、縦に速く直線的な攻撃を仕掛ける意図はあってもどこか噛み合わなかったり、中国戦では肉弾戦まがいの捨て身のブロックで守るシーンがあったり、かつての日本からは想像もできない姿に当惑もしました。監督が求めるフィジカルとスピードに選手たちが追いつけず、選手たちも監督の意図を無理矢理"お仕着せ"られているという印象も受けた。
 
 チームがスタイルを変える時、監督と選手は互いに目指すべき姿を共有すべきだと思いますが、今大会の日本は監督と選手たちの間に意識ギャップがあるように感じました」

次ページ日本にとってストレスだけが募る大会のように映った。

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