本大会を見据えても解決すべきテーマ。リスタートは日本の新たな得点源となるか?

2022年03月23日 元川悦子

「ムダなファウルはしないというのは意識しないと」

セットプレーのキッカーに指名されている伊東。良質なボールで好機を演出できるか。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 日本代表のカタール・ワールドカップ(W杯)行きの命運を占う24日の最終予選・オーストラリア戦まで、あと1日。21日の現地初練習は12人という小規模で軽い調整をするのみにとどまったが、22日夕方までに吉田麻也(サンプドリア)、伊東純也(ゲンク)ら9人が合流。総勢21人で冒頭15分を除く非公開練習を実施し、本格的な豪州対策を入念に確認した模様だ。

 ラスト2戦を残す今、日本は勝点18、豪州は15。彼らは日本を叩かない限り、逆転での本大会行きが見えてこない。グラハム・アーノルド監督を筆頭に、アーロン・ムーイ(上海海港)、ジャクソン・アーバイン(ザンクトパウリ)、クレイグ・グッドウィン(アデレード・U)、キー・ロールズ(セントラル・コースト・マリナーズ)がコロナ陽性となり、さらにはFWの一角を占めるトム・ロギッチ(セルティック)も負傷と、豪州も苦しい台所事情ではあるが、貪欲に得点を狙って勝ちに来るのは間違いなさそうだ。

「今回は引き分けでも悪くないというのはみんな分かっている。点を取りに行く姿勢だったり、勝ちに行く姿勢を見せたほうが、結果的には引き分けられる可能性が高い。みんなで意識を統一させることが大事」と攻守の要・遠藤航(シュツットガルト)も語っていたが、日本としてはやみくもに攻めに出るのは得策とは言えない。リスクを最小限にとどめつつ、相手にやらせない戦い方を進めていくことが肝要だ。

 とはいえ、豪州のほうも小さな綻びやスキ、穴を突こうと躍起になってくるはず。特にパワープレーやセットプレーは要注意だ。昨年10月のホーム・豪州戦でもアイディン・フルスティッチ(フランクフルト)に直接FKを決められている。同じ轍を踏むわけにはいかない。

「厳しく行くところは行かなきゃいけないけど、ムダなファウルはしないというのはチームとして意識しないといけない」と遠藤は改めて強調していた。
 
 相手のリスタートを完封したうえで、逆に日本がセットプレーで得点できれば、まさに理想的なシナリオだ。

 ドバイカップ参戦中のU-21日本代表の大岩剛監督も「重要性の高い試合、ギリギリの試合ならセットプレーの重要度は60%、70%になる」とコメントしていたが、攻撃的に行きつつも組織的守備を貫こうとする豪州相手だけに、日本はより工夫を凝らした攻めのバリエーションが求められる。

 松本山雅時代に徹底した分析に基づいたリスタートで勝負していた日本サッカー協会の反町康治技術委員長の肝いりで、各年代の代表チームの分析スタッフとして菅原大介コーチが今年から加入。これまで以上にその意識が高まったのは確かだ。

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