【東アジアカップ】中国戦予想スタメン/最終戦はテストを優先? 東口や丹羽らが代表デビューか

2015年08月09日 五十嵐創(サッカーダイジェスト)

「私を批判してください」。指揮官の発言は、予防線ともとれる。

中国戦の予想スタメン。前線には川又、宇佐美、武藤が第1戦以来の先発メンバーに名を連ねそうだ。

 台風が近づいている影響か、いつもより風が強かった。日差しも普段より弱く、空には珍しく厚い雲が立ち込めている。そんな17時30分頃に始まった前日練習は急遽、冒頭20程度でクローズされた。非公開は中国に渡ってから初だ。
 
「先ほどタクティックの練習をして、情報を彼らに伝えました。10分や15分のエクササイズで本当にたくさんのことを伝えなくてはいけないので、それはできませんが」
 
 相変わらず準備期間の短さをボヤくハリルホジッチ監督が明かすように、練習では「タクティック」の手ほどきがされたようだ。詳細は分からないものの、中国対策を落とし込んだのは間違いないだろう。続けて指揮官は「毎試合、選手を変えていますので、次も新しい選手が出る可能性はあります」と中国戦のスタメンについても示唆した。
 
 テストなのか、それとも勝ちにこだわるのか。どちらを優先するかによって、スタメンの顔ぶれは変わる。テストを優先させるなら、これまで出番のなかった選手たちをスタメンに抜擢する。逆に勝ちを優先するなら、韓国戦で安定感を取り戻した最終ラインは手を加えないといった具合に。
 
 とはいえ、指揮官の言葉から察するに、前者を選ぶ可能性が高いようだ。
 
「今回のメンバーが、日本代表のベストメンバーではありません。日本代表にとってベストなチームを探している段階です。我々の難しい状況を少し理解していただいて、そのうえで私を批判してください。すべて私の責任なので、私への批判は問題ありません」
 
 選手ではなく、「私への批判」を強調した点を予防線と捉えれば、スタメンの顔ぶれは見えてくる。今回のメンバーで出場機会を与えられていないのは、東口、六反、水本、丹羽、米倉、米本の6人。彼らの多くが、先発に名を連ねる可能性があるということだ。
 
 この6人のうち、中国戦に抜擢されると思われるのは4人だ。GK東口とCB丹羽、右SB米倉とボランチの米本である。
 
 彼らをスタメンに予想した根拠は、チームの内の序列だ。GKの東口とCBの丹羽は先日のワールドカップ予選・シンガポール戦から継続での選出で、初代表の六反や3月以来の復帰だった水本よりも指揮官の覚えが良い。米倉と米本は、すでにライバルたちがチャンスを与えられているため、お鉢が回ってくる形だ。
 
 その他のメンバーでは、出場時間が比較的少ない宇佐美や浅野、2試合連続で一定以上のパフォーマンスを披露していた山口あたりが入るだろう。また、中国の高さ対策として、韓国戦で長身FWを押さえ込んだ槙野もスタメンに名を連ねそうだ。

次ページ相手の長身FWを意識し過ぎれば、再び攻撃が機能不全に陥りかねない。

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