成熟度が高まる遠藤・守田・田中の“鉄板トリオ”。豪州に再び4-3-3は通用するのか?

2022年03月22日 元川悦子

3ボランチのコンディションに不安はない

遠藤(中)、守田(右)、田中(左)の3ボランチは鉄板。成熟度も高まっている。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 日本代表のワールドカップ(W杯)7大会連続出場のかかるカタール大会アジア最終予選の大一番・オーストラリア戦が24日に迫ってきた。

 20日の朝に森保一監督ら第一陣が決戦の地・シドニー入りしたが、21日になって欧州組の板倉滉(シャルケ)や田中碧(デュッセルドルフ)、追加招集の国内組である中谷進之介(名古屋)らが合流。夕方からの現地初練習には12人が参加し、コンディション調整主体のメニューが1時間程度、行なわれた。

 予選の序盤3試合で2敗という崖っぷちから浮上するきっかけとなった昨年10月のオーストラリア戦以降、日本代表は4-3-3を基本にしているが、今回もその布陣を維持するか否かが1つの注目点と言っていい。

 前述の通り、田中がいち早く現地調整を開始しており、遠藤航(シュツットガルト)と守田英正(サンタ・クララ)も21日の夜に到着。2日間しっかりと戦術確認等ができることを考えると、3ボランチのコンディションに不安はない。

「3人でやる一番のメリットは、誰がどこのポジションを取ってもある程度、しっかりプレーできるところ。違和感なくやれるのがいいと思う。相手がマンツーマン気味についてきたりした場合には、ポジションを変えながらやっていたし、それは非常にポジティブ。お互いの特徴を出す意味でもすごくいい」と、遠藤も中国・サウジアラビアとの前回2連戦で成熟度に自信を深めている様子だった。他の2人も同じ意見を持っていることだろう。
 
 サウジアラビア戦の前半に田中と守田がポジションを入れ替え、攻守両面にダイナミズムが生まれたのは、1つの象徴的な例。田中が左に回って広範囲の守備を引き受けたことで、停滞感が強いと言われた長友佑都(FC東京)、南野拓実(リバプール)の左の縦関係が活性化し、攻撃の迫力が生まれた。

 シュツットガルトでインサイドハーフを主戦場とする遠藤が前目に上がり、守田がアンカーに下がったとしても、そん色のないプレーができるはず。むしろ、クラブで立て続けにゴールを奪っている遠藤の決定力を生かすなら、そうしたほうがいいかもしれない。

 今の3人は自分たちで意思疎通し、その判断を的確に下すことができる。もともとボランチだった森保監督にしてみれば、盤石にも思えるトリオを天王山を前に代えるというのは非常にリスクが高い。今回も同じ構成でスタートし、中盤の安定感を維持しながらゲームを進めていくのが得策ということになりそうだ。

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