「僕を使うのは大きな賭け」キングカズ三浦知良が指揮官の重圧に言及。兄・泰年監督には「やっさんも勝利が欲しかったと思う」

2022年03月13日 長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

「使う監督は他の選手とはまた違う意味で、使う・使わないを判断しないといけない」

鈴鹿ポイントゲッターズで指揮官と選手という間柄になった三浦兄弟。写真:徳原隆元

 JFL開幕戦が3月13日、各地で開催された。四日市中央陸上競技場では鈴鹿ポイントゲッターズ対ラインメール青森の一戦が行なわれ、カズこと三浦知良が先発出場した鈴鹿が2-0で勝利を収め、新シーズンを白星でスタートした。
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 55歳12日のJFL最年長出場記録となったカズは65分までプレー。3トップの一角として左右両サイドを幅広く動き、チャンスを窺った。シュートはなかったが、精力的な動きでつなぎ役やプレスバックでの守備など多彩な役割を担った。

 試合後、カズは「去年は(リーグ戦で)1分しか出ていないので、試合馴れという部分で足りないと感じていた。今日は監督に自分から下がると言いました」とまだまだゲームに要する体力が不足し、自ら交代を願い出たことを明かした。

「子どもからおじいちゃんまで僕の名前を呼んでくれて嬉しかったし、後押しになった」と、4820人を集めたスタンドの賑わいについて喜んだカズだが、一方で日本サッカー界の重鎮である自らを起用する監督にのし掛かる重圧についても、自身の想いを述べている。

「監督としてはいい意味でも悪い意味でも(自分を使うのは)ストレスになる。使う監督は他の選手とはまた違う意味で、使う・使わないを判断しないといけない。そのうえで使ったら勝たないといけないし、勝たせないといけない。そこで判断して、僕を使うのは大きな賭けでもある」

 カズ自身、同様の苦労を抱えていると感じているという、兄の三浦泰年監督に対しては、「そういう中で、やっさんに先発で使ってもらった。やっさんも勝利は欲しかったと思うし、僕も勝利が欲しかった」と語り、指揮官の胸中を慮った。

取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)
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