U-21大岩剛監督に強烈アピール!パリを目指す18歳のドリブラーがJ1横浜を相手に45分間で放ったインパクト

2022年03月10日 松尾祐希

167cmのドリブラーがキャンプを締めくくる練習試合で異彩を放つ

U-21日本代表キャンプでアピールを見せた甲田。名古屋でもJリーグデビューを飾っている。写真:徳原隆元

 ボールを持てば、何かしてくれる――。名古屋グランパスの期待のホープ、怖いもの知らずの18歳・甲田英將はピッチを所狭しと駆け回り、今後の飛躍を予感させるパフォーマンスを見せた。

 3月9日に行なわれたU-21日本代表候補のトレーニングマッチ。3日間のショートキャンプを締め括る横浜F・マリノス戦で、167cmのドリブラーが異彩を放った。

 24年のパリ五輪を目指すチームにとって、大岩剛監督が就任してから初めての代表活動となる。立ち上げ合宿とあって、誰もが高いモチベーションを持っていたのは言うまでもない。もちろん甲田も例に漏れず、並々ならぬ意欲でピッチに立っていた選手のひとり。一世代下からの飛び級とはいえ、この年代の活動に参加した経験は何度もある。昨秋のU-23アジア選手権予選で一緒にプレーした選手もおり、遠慮せずに序盤からギアを上げていった。
 

 4-2-3-1の右サイドハーフに配備されると、持ち前の機動力を生かした仕掛けで局面を打開。独特の間合いでボールを保持し、縦への突破や中へのカットインから何度もチャンスを演出した。41分にはキレのあるドリブルで敵陣に切れ込むと、質とスピードともに申し分ないスルーパスでMF鮎川峻(広島)のゴールをお膳立て。「自分の得意なドリブルは発揮できたと思うし、結果としても1アシストはできた。だけど、点を取れる場面が何回かあった中で決められなかったのは悔しい」と本人は殊勝なコメントを残していたが、45分間の出場で残したインパクトは強烈だった。

 名古屋U-18時代から将来を嘱望されていた甲田。「小さい頃から(リオネル・)メッシをずっと見てきた。メッシみたいなドリブラーになりたい」と話す通り、利き足は違えどもアルゼンチン代表のレフティをロールモデルに成長を続けてきた。

 昨季もユース年代では圧倒的な力を示し、夏のU-18クラブユース選手権では決勝で活躍。鮮やかな裏抜けから浮き球をボレーで叩いて先制ゴールを決めるなど、ここぞという場面での勝負強さも光る選手だった。

 その一方で課題だったのが守備面。元々献身的な選手で決して守備をサボるような選手ではないのだが、プロの基準で見た時に強度の高い守備がどれだけできるのか不安もあった。実際にプロ1年目は苦しんだと本人も話す。

「プロになって、ユースでは取れていたところが取れなくなった。守備の強度を上げていかないとボールが取れないと気付かされたので、そこは代表でも意識してできたらいい」

【画像】パリ五輪を目指すU-21日本代表が始動!

次ページ3月下旬のドバイ遠征メンバー入りへJの舞台でもアピールを

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事