ピルロ、ジェラード、シャビも参戦――マイナー国でプレーする世界のスター選手たちを改めてチェック!! 

2015年08月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

待遇と環境の良さ、そして“憧れ”がスター選手を惹きつける。

いくら盛りが過ぎたとはいえ、ピルロ、ランパード、ビジャが同じチームでプレーするなら、誰でも見てみたいと思うだろう。MLSは今、かつてないほど活気に満ちている。 (C) Getty Images

 ユベントス、イタリア代表で数々の栄光を手にしてきたアンドレア・ピルロが、新たな所属チームであるニューヨーク・シティでのデビュー戦に臨んだのが7月26日。野球の殿堂でもあるヤンキースタジアムで、オーランド・シティ相手に5-3の勝利を飾った。
 
 アメリカのピッチでも、その独特の間合い、コースとタイミングの良い長短のパスを披露して観客を沸かせたピルロ。公式サイトを通して、「プレーするのが待ち切れなかった。自分の名前が聞こえてきて、とても感動した。この勝利を続けていきたい」とのコメントを残している。
 
 ピルロが1995年に始まったプロキャリアにおいて初めてイタリアを飛び出し、新天地に選んだニューヨーク・シティには、ダビド・ビジャ、フランク・ランパードという実績十分のワールドクラスがすでに在籍していた。
 
 ピルロのデビュー戦では3人が揃うことはなかったが、8月1日のモントリオール・インパクト戦では、69分にランパードが交代出場してMLSデビューを飾り、ついに偉大なトリオがピッチに立った。試合は2-3で敗れたが、ランパードは「ニューヨークのファンの前でのプレーを楽しんだ」と語っている。
 
 ところで、前節の対戦相手であるオーランドでは、あのカカが背番号10をつけている。そしてモントリオールには、ウェストハムなどで活躍したナイジェル・レオ=コーカーが在籍している他、先日はディディエ・ドログバも入団会見を行なった。
 
 このように、アメリカMLSは今、ワールドクラスのスターを次々に世界中から招聘して、ますます多くのサッカーファンから注目を集めている。
 
◇アメリカMLS在籍スター選手
ロビー・キーン(ロサンゼルス・ギャラクシー)
オバフェミ・マルティンス(シアトル・サウンダース)
ダビド・ビジャ(ニューヨーク・シティ)
カカ(オーランド・シティ)
スティーブン・ジェラード(ロサンゼルス・ギャラクシー)
フランク・ランパード(ニューヨーク・シティ)
セバスティアン・ジョビンコ(トロント)
アンドレア・ピルロ(ニューヨーク・シティ)
ジオバニ・ドス・サントス(ロサンゼルス・ギャラクシー)
ディディエ・ドログバ(モントリオール・インパクト)
ショーン・ライト=フィリップス(ニューヨーク・レッドブル)
 
◇アメリカNASL在籍スター選手
ラウール・ゴンサレス(ニューヨーク・コスモス)
マルコス・セナ(ニューヨーク・コスモス)
 
 96年に創設されたリーグは、かつてギャラの高騰などによって短期間で消滅した北米リーグと同じ轍を踏まないために、選手の年俸の上限を定めたサラリーキャップを導入して、健全なチーム運営を促しているが、2007年にロサンゼルス・ギャラクシーがデイビッド・ベッカムを獲得する時、新たに特別指定制度が生まれた。
 
 これは、各チームにサラリーキャップ制度で定められた金額以上のギャラの支払いを、人数を限定したうえで認めるものであり、2010年にはティエリ・アンリ(ニューヨーク・レッドブル)もアメリカ大陸に上陸している。
 
 金銭面の待遇もさることながら、欧州人のアメリカに対する憧れ、そして環境的な馴染みやすさが、ビッグネームの渡米に拍車をかけ、MLSはさらにエンターテイメント性も増し、人々の関心を集める魅力あるリーグへと成長している。
 
 ピルロ以外にも、イングランドのレジェンドでもあるスティーブン・ジェラードがLAギャラクシーで新たなキャリアをスタートさせ、前述のドログバの他、ショーン・ライト=フィリップス(レッドブル)もMLS参戦を表明するなど、ますますスターの数は増えており、今後もこの傾向は続くだろう。

次ページ驚きの補強を続ける広州恒大、これに追随する中国の他クラブ。

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