なぜ海外で力を発揮できない日本人選手がいるのか。元神戸ビジャの見解は?「ベースの能力はある。ただ、足りないのは…」

2022年03月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

「思ったようなレベルに到達できないケースがある」

神戸で1年間プレーし、現役を引退したビジャ。(C)SOCCER DIGEST

 バレンシアやバルセロナなどで活躍し、ヴィッセル神戸で現役を引退した元スペイン代表FWのダビド・ビジャ氏が設立した世界7か国で展開しているサッカースクール「DV7アカデミー」が先週、2022年の新規生徒募集に向けたオンラインセミナーを開催した。

 セミナーでは、「DV7アカデミー」の日本校が設立されて2年が経過し、Jリーグクラブのジュニアユースや先の高校選手権を制した青森山田高に進む選手を輩出するなど、ビジャ氏が関わった「DV7メソッド」の効果が子供たちの成長に着実な成果を出していることなどが紹介された。

 また、DV7ジャパンの監督を務めるアレックス・ラレア氏によれば、「考えるスピード」や「頭を使うトレーニング」を重視した育成をしており、ドミニカ校ではA代表の選手も送り出しているという。

 このセミナーには、ビジャ氏本人もマドリーから生出演。「日本でプレーしていた時、日本の子どもたちの見る機会があって、熱意があり、上手い子が多かった。その子たちとこのDV7メソッドが融合するといい形になる期待している」と話した。
 
 そのビジャ氏に、日本人がヨーロッパなど海外で活躍するために、どのような必要な能力を付けておくべきかを訊いてみた。

「例えば、スペインでプレーするとなった時、日本の選手には、ヨーロッパでサッカーをやるベースの能力はあると思う」と切り出した名手は、「ただ、海外では上手く行かない選手がいたり、思ったようなレベルに到達できなかったりするケースがある」として、その理由について見解を語った。

「おそらくだけど、僕の経験からすると、日本人には『適合』ができない選手がいる。サッカーにピッチの中と外があって、ピッチの中でいいプレーするには、外のことも重要。違う環境に慣れ、言語を習得し、周りに違う言語を話す選手がいることに慣れなければならない」

 ビジャ氏はさらに「ピッチ上では、日本よりもプレー判断を速くしなければいけない状況が多い。これに適応できればうまくいくが、適応できないと苦戦してしまう」と続けた。

 このDV7では、ビジャ氏の経験もふまえ、日本人に不足しがちな「速いプレー判断」を大切にしたトレーニングをしているという。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】圧倒的なインパクト!ビジャが決めた19年J年間最優秀ゴールをプレイバック!

次ページ【動画】圧倒的なインパクト!ビジャが決めた19年J年間最優秀ゴールをプレイバック!

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事