【湘南】遠藤航――湘南の誇りを背負って、いざ代表へ!

2015年07月30日 小田智史(サッカーダイジェスト)

東アジアカップ前最後の試合でダメ押しゴール。最高の形で初のA代表へ向かう。

71分、遠藤は高山(23番)のCKに合わせてタイミング良く走り込み、今季4得点目をマーク。「勝って代表に行きたい」という想いを見事に果たした。 写真:石倉愛子

「勝って代表に行きたかった」――。
 
 柏戦後のフラッシュインタビューを終えると、遠藤は眞壁会長から「ENDO 21」のマーキングが施された日本代表ユニホームを肩に掛けられ、少しはにかみながらサポーターへの挨拶や記念撮影に向かった。

【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・5節

 初めてA代表に選出された東アジアカップ前最後となるリーグ戦。遠藤はまず本職の守備で魅せた。WBやリベロと程良い距離感でラインをコンパクトに保ち、右WBの古林が前に出て行ける環境を演出。加えて、柏がCFやウイングにつけるくさびに対して前線・中盤の追い込みと連動して強くプレッシャーをかけ、縦への展開をスローダウンさせた。
 
 そして攻撃ではインターセプトからのオーバーラップと、最終ラインから思い切りの良い縦パスで一気に前線にボールを供給。これは「1対1の場面を増やしてもっと攻撃能力をつけていかないといけない」と考えた曺監督が、昨季リベロからストッパーにコンバートした賜物だ。指揮官も「人の間をドリブルして運んでいくとか、新たな攻撃能力を覚えて今に至る。現時点で航がやれることは当時より明らかに増えている」と成長を認める。
 
 71分には高山のCKに飛び込み、柏のクリスティアーノとエドゥアルドのブラジル人選手を撥ねのけて豪快にヘディングシュート。「薫くんは速いボールが得意なので、『この辺りに来るかな』と自分の中でイメージしてニアに走り込んだ。(ボールの)タイミングが良くて自分のリズムで飛べた」とPK以外の得点は今季自身初となるダメ押し弾を突き刺し、反撃を試みる相手に引導を渡した。
 
 間髪入れずA代表に合流し、8月2日に開幕する東アジアカップに臨む強行日程をこなさなければいけないが、本人は「覚悟はできている」と冷静な表情を崩さない。クラブからの代表選出は2010年の村松大輔(現・清水)以来、出場すれば1998年の中田英寿、小島伸幸、呂比須ワグナー以来17年ぶりの快挙だ。
 

次ページ「代表でもなにをすべきなのか自分のなかでイメージはできている」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事