【三浦泰年の情熱地泰】チャレンジした羽生選手、成し遂げた平野選手…偉大なふたりの拘りに心打たれた!

2022年02月15日 三浦泰年

彼は「努力は報われない」と言っていたが…

五輪3連覇はならなかったが、偉大な挑戦を見せた羽生。(C) Getty Images

 やはりコラムの話題は「北京オリンピック」であろう。

 昨年「東京オリンピック」が行なわれたばかりで、コロナもオミクロン株により、いつまでもスポーツ界だけではなく全てに影響を与えているだけに、このタイミングの冬季オリンピックが盛り上がるのかと心配ではあったが、やはり本気のアスリートが積み重ねた努力を発揮する大会だ。僕は心打たれている。
 
 先ずは羽生結弦選手。

 フィギュアスケートのことは何も分からないが、日本選手団の強烈なサポーターとしては世界の4位に3人が入り、羽生選手が4回転アクセルに挑戦してみせたことは大きな誇りだ。

 そんななか、サッカー界との大きな違いを感じたのは荒川静香さんのインタビューに羽生選手が答えていた場面。TV画面に日本フィギュアスケートの深い歴史と、彼がチャレンジした大きな出来事の偉大さを感じた。

 そして、選手と、解説者となった元選手が語らうこの関係性には、サッカーから見えるものとは違う、どこか特別な素晴らしい空気があった。

プロとプロの関係というか、深い絆のような、世界の異次元を目指した人たちの空気感とでもいうのであろうか?

 フィギュアスケートというスポーツのステイタスの高さを、ふたりのやり取りから見てとれた。

 ある方が2021年の大谷の活躍をサッカーに例えれば、バロンドールを獲得したのと同じだと表現した。それはリオネル・メッシやクリスチアーノ・ロナウドと同等の価値という意味なのである。

 日本のサッカー界はこの日本の野球界から出て行った大谷が残した出来事に、もっと脅威を感じ取らなければならない。

 ヨーロッパへ挑戦する選手が増えたのは間違いない。活躍する選手もレベルも上がっている。ただし、まだグローバルスタンダードで闘えている選手はそう多くはないのだ。

 そしてオリンピック2連覇を達成していた羽生結弦選手の北京オリンピックでのチャレンジは人間が誰も成功する事の出来ていない4回転アクセル。

 勝利するだけではなく、これが異次元へのチャレンジというものなのであろう。

 もちろん個人種目と団体、チームスポーツでは違うが、人が必死にやる事には変わりはない。

 彼は「努力は報われない」と言っていた。
何度も努力の末に成功を掴んできた彼だからこそ、この大会に報われなかったとは言え、誰もが彼の努力を賞賛している。それは今回の結果では報われなかったかもしれないが、人生において「努力は報われた」ということだと思う。

 素晴らしい。
「おめでとう、お疲れさま……羽生結弦君」
 

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