サウジ戦、2つのゴールを読み解く…先制弾の伏線となったイエローカードと負傷交代。4戦連発弾を導いたパスはラッキーか必然か?

2022年02月03日 清水英斗

攻め手は無いが、相手にチャンスも与えない。このままでは0-0だが…

伊東のゴールは目の覚めるようなファインショット。日本の勝利を決定づけた。写真:JMPA代表撮影

 もし日本が負ければ、W杯出場を決めたサウジアラビアの歓喜を目の前で見届け、屈辱に耐えなければならなかった。しかし、埼玉スタジアムでそうした光景は記憶にない。ここは、勝った思い出ばかり。

 今日も1ページが加わった。カタールワールドカップ・アジア最終予選、ホームで行なわれた首位サウジアラビアとの大一番は、2-0で日本が勝利を収めた。3位のオーストラリアがオマーンと引き分けたため、日本は次節、オーストラリアと引き分け以上でW杯出場が決まる。
 
 序盤は森保ジャパンらしく、我慢の時間帯だった。キックオフの瞬間からキレの良いプレスを仕掛けてくるサウジアラビアに対し、ポゼッションが落ち着かない。リスク回避で安全にプレーした結果、相手にボールを渡すことが多かった。

 守備もやや後手だ。サウジアラビアは両サイドバックを高い位置へ上げ、センターバック2枚とボランチ2枚の4枚ボックスでビルドアップを行う形。対する日本は、南野拓実と伊東純也が対峙するサイドバックに付いてズルズル下がらず、相手CBとSBの中間ポジションから前へ寄せようとしたが、相手CBに巧みに外され、縦パスを通される場面が目立った。

 このとき長友佑都や酒井宏樹は、元々対峙する相手サイドハーフに、後方から上がってきた相手サイドバックが加わり、1対2の数的不利。この両サイドの優位を使い、サウジアラビアは攻め込んで来た。

 しかし、日本はサイドを崩されつつも、その先は谷口彰悟や板倉滉を中心に遮断した。ペナルティエリアへ危険なボールは通させない。一方でコーナーキックを与える場面は増え、日本の1本に対し、サウジアラビアは8本のコーナーキックを得たが、日本は集中したマンツーマン守備で防ぎ切った。

 攻め手は無いが、相手にチャンスも与えない。このままでは0-0だが、さあ、どうする。

 その矢先、23分にサウジアラビアの8番MFアブドゥレラー・アルマルキが負傷交代した。中心選手の交代に、相手は動揺した様子。おそらく日本で言えば遠藤航が抜けるようなものだろう。

【W杯アジア最終予選PHOTO】日本2-0サウジアラビア|伊東が1G1Aの大活躍!7大会連続W杯出場に王手

次ページ伊東は競り合いに手を使っており、ファウル気味に見えたが、主審の笛は鳴らなかった…

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