勝率はクラブ史上2位!ベティスを躍進に導いている名将の“流儀”。「全ての指摘が的を射ている」【現地発】

2022年02月02日 エル・パイス紙

ラ・リーガ3位で国王杯とELでも勝ち残る

かつてはR・マドリーやマンチェスター・Cでも指揮を執ったペレグリリーニ。(C)Getty Images

 ベティスの本拠地ベニート・ビジャマリンで試合が開催されるたびに「マヌエル、マヌエル、マヌエル・ペレグリーニ!」というチャントが鳴り響く。マヌエル・ペレグリーニ監督は熱狂的なベティスのファンの間で人気者の1人になった。2020年夏の就任以来、その姿は日増しに大きくなり、セルジオ・カナレスやナビル・フェキルといった中心選手と肩を並べる存在になっている。

「エル・インヘニエロ(エンジニア。ペレグリーニの愛称)はプランを持っている」。このフレーズは歴史的な快進撃を続けるベティスにおいてスローガンになった。

 ラ・リーガ第22節終了時点でベティスは勝ち点40で3位につけ、コパ・デル・レイではセビージャとのダービーマッチを制し(2-1)、3日にセミファイナル進出を懸けてレアル・ソシエダと顔を合わせる。そしてヨーロッパリーグ(EL)では決勝トーナメントへと駒を進め、プレーオフでゼニトと対戦する。

 輝かしいキャリアを誇るペレグリーニのようなベテラン監督が、なぜベティスと契約したのだろうか? この問いに対し、「マヌエルは挑戦することが好きなんだ。彼は個人的な挑戦として受け止めた。ベティスの陣容を考えれば、もっと多くのものを引き出せることを確信していた」とクラブの関係者は答える。

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 ベティスは昨シーズン、ほぼ補強なしで6位に躍進し、EL出場権を獲得した。チームにはすでにフェキル、カナレス、ウィリアム・カルバリョといった能力の高い選手が揃っていたが、一様にペレグリーニのもとでより高いレベルに到達している。

 このチリ人指揮官は、選手と関係を構築する際に、ひとりのチームメイトのようにロッカールームに溶け込んでいたキケ・セティエンとは異なり、距離を置いて接する。言葉を交わす時も、短く、簡潔だ。しかしベティスの選手たちは、「改善すべき点を2つだけ指摘する。そして、そのほぼすべてが的を射たものだ」とその少ない言葉の中に深いメッセージ性が内包されていると口を揃えて語る。

 ペレグリーニをよく知る人間は、天性のリーダータイプと評する。「前にすると、その威厳溢れるオーラに引き寄せられる」とクラブの関係者は証言する。

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