荒木遼太郎が代表合宿で見せた“フィニッシュ”へのこだわり。その背景にある恩師の言葉「すべてをこなしてほしい」

2022年01月22日 安藤隆人

鹿島の“新10番”が着眼点を置いたのはキックの種類

19歳で日本代表に飛び級で初招集された荒木。写真:徳原隆元

 心機一転の新シーズン。昨季は鹿島アントラーズで36試合に出場、10ゴールを叩き出し、ベストヤングプレーヤーに選ばれるなど飛躍のシーズンとなった。プロ3年目を迎える2022年、荒木遼太郎が力強いスタートを切っている。

 今季から東福岡高の先輩である本山雅志もかつて背負っていた10番を託され、1月の日本代表候補合宿にも初選出された。

 1月17日から千葉県内でスタートした合宿では、主に左サイドハーフに入り、こちらも東福岡の先輩である左サイドバックの長友佑都と縦関係のコンビを組み、的確なアドバイスをもらいながら伸び伸びとプレーをしていた。

「長友選手からは最初に『ヒガシ出身なのか?』と話しかけてくださって、そこから少し安心感が生まれました。それ以降はポジショニングなどを話しました」
 
 初めてのA代表で緊張もあっただろうが、先輩の何気ない言葉が荒木をリラックスさせてくれた。持ち前のファーストタッチのうまさと、一瞬の加速で相手をすり抜けていくドリブルに加え、「こだわっている」というシュート面でも成長をアピール。昨季、鹿島ではミドルレンジからのシュートや、ワンタッチやツータッチと少ないタッチから正確にコースを射抜くシュートを存分に発揮をしたが、今年から彼が着眼点を置いたのはキックの種類だった。

「シーズンオフにいろんなシュートを蹴られたらいいなと思って、練習に力を入れてきました。去年から少しやっていたのですが、シーズンオフには縦回転や無回転など、回転にもこだわって、入りやすくなるシュートを打てるように取り組んできました。きっかけは結果を出すためにということもありますが、FKの時にカーブばかりでは相手に読まれやすくなってしまうので、無回転など回転にこだわって蹴ったほうが相手も困るだろうなと思ってやり始めました」

 実際にシュート練習では無回転のボールや、縦回転でファーに落とすボールなど、多彩なキックを披露。自主トレで磨いてきた成果を示していた。
 

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