「絶対にお前に来るから」青森山田、黒田監督の言葉に後押しされた渡邊星来が逆転劇を呼び込む待望の大会初得点!【選手権・準々決勝】

2022年01月04日 安藤隆人

プレミアリーグEASTの後期に入り調子が下降。終盤に巻き返したが…

後半13分に勝ち越しゴールを挙げた青森山田のFW渡邊。大会初ゴールとなった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権 準々決勝]青森山田2-1東山/1月4日(火)/等々力陸上競技場

 決勝弾を叩き込んだのはFW渡邊星来(3年)だった。東山に先制を許す苦しい展開となったが、前半アディショナルタイムにMF松木玖生(3年)のPKで追いつくと、53分、MF藤森颯太(3年)の右ロングスローからニアでFW名須川真光(3年)がヘッドで繋ぎ、渡邊が素早く反応。右足ハーフボレーをゴールに突き刺した。
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「名須川が落としてくれるので、距離を詰めてボールが来るのを信じた。初戦、3回戦とゴールを決めることができなかったので、決めることができて良かった」

 今大会は意地しかなかった。春先から青森山田は2トップを採用し、渡邊と名須川の2トップは固定された不動の存在だった。

 ポストプレーと空中戦とゴール前の勝負強さが売りの名須川に対し、渡邊も屈強なフィジカルとスピードを誇り、ポストプレーも苦なくこなし、さらにサイドからでも中央からでもアタッキングエリアに飛び込んで決定的な仕事もできる。2人ともポストプレーも裏抜けも出来る2トップは相手にとって大きな脅威となった。

 インターハイでもこの2トップが猛威を振るい、大会新記録となる30ゴールをマークしての優勝に大きく貢献した。

 しかし、プレミアの後期になると調子を落とし、15節の流経大柏戦では左サイドハーフからFWにコンバートされたMF小原由敬にレギュラーを譲る形となり、そこからベンチスタートの日々が続いた。

 だが、ここから渡邊は再覚醒した。プレミアEAST・17節の柏レイソルU-18戦で久しぶりにスタメン出場を果たし、名須川と2トップを組むと、圧巻のハットトリックを達成。同18節のFC東京U-18戦でも決勝弾をマークすると、さらに延期分となっていた12節(最終戦)の横浜FCユース戦でも3点目をマークし、怒涛の3戦連続弾で優勝に大貢献してみせた。

 しかし、冒頭の渡邊のコメントにもあるように、今大会はノーゴール。再びゴールから見放されたことで、「必ずいつかは取れる」と自分を信じる一方で、「またレギュラーから外されてしまうかもしれない」という気持ちも生まれていた。

【高校サッカー選手権準々決勝PHOTO】東山1-2青森山田|先制許すも猛攻を仕掛けて逆転勝利!
 

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