高川学園が誇るセットプレーに不可欠。良質なボールを繰り出すSB山崎陽大の左足【選手権】

2022年01月03日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

セットプレー以外でも多彩な球種で効果的なクロスを供給

初戦から左SBでフル出場を続ける山崎(16番)。自慢の左足で好機を量産し、チームの8強進出に大きく貢献している。写真:滝川敏之

[高校選手権3回戦]高川学園1-0仙台育英/1月2日(日)/等々力陸上競技場

 トリッキーなセットプレーで今大会の話題をさらっている高川学園。FKやCKの際、ゴール前でスタンバイする選手たち数人が円陣を組み、グルグルと回って散らばる『トルメンタ』(スペイン語で「嵐」を表わす言葉)は、国内外の多くのメディアに取り上げられた。

 4-2で勝利した星稜との1回戦では、5人一組の"グルグル円陣"からMF林晴己(3年)がヘッドで先制点を挙げる。2-1で逆転勝ちした岡山学芸館との2回戦では、3人一組で2つの輪を作り、素早く回転。最初のアクションでは仕留められなかったが、即座にセカンドボールを回収し、最後はFW中山桂吾(3年)が決勝点となるゴールを頭で叩き込んだ。

 仙台育英との3回戦では、ゴールにはつながらなかったが、6人一組バージョンを披露するなど、『トルメンタ』には様々なパターンが実装されている。

 その仙台育英戦は1-0の勝利。後半40+3分の決勝点は、『トルメンタ』は発動していないCKからだったが、いずれにしてもセットプレーは高川学園の強力な武器となっている。

 特筆すべきは、イマジネーション溢れるゴール前の陣形はもちろん、そこに送られてくるボールの質だろう。

 星稜戦での林の先制弾は、MF北健志郎(3年)のFKから生まれている。北のキックも素晴らしかった一方、岡山学芸館戦、仙台育英戦で勝負を決したセットプレーでは、いずれもレフティのDF山崎陽大(3年)がキッカーを務めた。
 
 ポジションは左SB。大会直前の負傷でピッチに立てないキャプテン奥野奨太(3年)の主戦場で、山崎は1回戦からフル出場を続け、際立つパフォーマンスを見せている。

 セットプレー以外でも、流れの中で山崎は多彩な球種で効果的なクロスを何本も供給している。岡山学芸館戦で林が決めた同点弾も、起点となったのは山崎の鋭いクロスだ。

 その左足で多くのチャンスを作り出し、粘り強い守備でも貢献する高川学園の背番号16のさらなる活躍に注目だ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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