「どけ!」。高川学園の“持ってる男”西澤和哉の一撃。ゴールへの貪欲な姿勢が生み出した決勝弾【選手権3回戦】

2022年01月02日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「監督からは『1点決めてこい、ぶち込んでこい』と言われた」

値千金の決勝弾をぶち込んだ高川学園の西澤。「自分が最後に点を決めて勝ちたかった」と振り返る。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権3回戦]高川学園1-0仙台育英/1月2日(日)/等々力陸上競技場

 持ち前の勝負強さを発揮してみせた。

 ベスト8進出をかけた仙台育英戦で、高川学園のMF西澤和哉は後半40分に途中出場。スコアは0-0。PK戦も濃厚となった同40+3分、勝利を手繰り寄せる一発を叩き込む。

 左CK。山崎陽大からの質の高いボールはクリアされるも、そのこぼれ球に西澤が素早く反応。左足を振り抜き、低弾道の鋭いシュートでネットを揺さぶった。

「残り3分くらいで出させてもらって、監督からは『1点決めてこい、ぶち込んでこい』って、それだけ言われたので。自分が最後に点を決めて、勝ちたい、勝利を掴みたいと思って、振り抜きました」

 江本孝監督は「なにかやってくれるんじゃないかな、と。この子には決定力があると、ずっと私自身も、スタッフも感じていて。県の決勝戦でもロスタイムで点を取ってくれたので。そのシーンが頭によぎった」と、西澤を起用した理由を明かす。
 
 見事に期待に応えてみせた西澤。「勝負強いって、自分ではなかなか思わない」と謙遜するが、ゴールへの貪欲な姿勢が「"持ってる男"ってよく言われる」所以なのではないか。

 値千金の決勝弾を次のように振り返る。

「ふんわりした山なりのボールが、ちょうど自分がいたところに来たので、思い切って、左足で振り切っただけ。冷静というか、もうひとり、チームの選手がいて、その人がたぶん、ボールに触ろうとしていたんですけど、自分が『どけ!』と大きい声で言って、それがたぶん聞こえて、どいてくれて、振り抜けることができました」

 自分が決めて、勝利を掴みたい――強い決意を持ってピッチに立った男に、勝利の女神は微笑んだ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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