[高校選手権３回戦]高川学園１-０仙台育英／１月２日（日）／等々力陸上競技場

　際どい勝利だった。ベスト８進出をかけた一戦で、高川学園は終了間際のセットプレーのチャンスを活かし、仙台育英に１-０で競り勝った。

　後半40＋３分、左CKは一度はクリアされるも、こぼれ球に反応したMF西澤和哉が左足を思い切り振り抜き、ゴールネットを揺らす。

　劇的なゴールを挙げた西澤は、この大役を演じることがあらかじめ決められていたかのように、決勝弾のわずか３分前に途中出場。「代わった選手がしっかりと結果を残してくれた」と語る江本孝監督は、西澤の起用について、次のように明かす。

「（西澤は）１、２戦とも、なかなか良い感じで結果を出せていなかった。それでもなにかやってくれるんじゃないかなと、いう思いもありました」
 

　指揮官にそう思わせる実績が、西澤にはあった。

「この子には決定力があると、ずっと私自身も、スタッフも感じていて。１年生の時から、よく点を取っていたこと、そして昨年、県の決勝戦でもロスタイムで点を取ってくれたので。そのシーンが頭によぎって、ここでラスト、使ってみたら、当たるんじゃないかなと期待をして出場させました」

　期待に応えてみせた西澤の決定力はもちろん、選手へ揺るぎない信頼を寄せる江本監督の、勝負どころを見極めた一手はさすがった。

取材・文●広島由寛（サッカーダイジェストWeb編集部）

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