前橋育英、158cmの小兵アタッカーが指揮官も絶賛する能力で救世主に! 先制&劇的決勝弾は「偶然いたわけじゃない」【選手権3回戦】

2022年01月02日 長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

前半途中に「自分が『行くよ』と言われてビックリした」

前橋育英は2年生FWの高足の2ゴールで鹿島学園を下し、ベスト8に駒を進めた。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権3回戦]前橋育英2-1鹿島学園/1月2日(日)/熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

 緊急出場となった2年生ストライカーが抜群の嗅覚で試合を決めた。

 2戦10発と圧巻の攻撃力を見せつけて3回戦に駒を進めた前橋育英だが、鹿島学園戦は苦戦を強いられた。立ち上がりから持ち前のポゼッションサッカーでペースを掴み、ゴール前に押し込むものの決め手を欠いて得点には至らない。さらに前半終了間際には1トップの守屋練太郎(3年)が接触プレーで負傷退場に追い込まれてしまう。
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 ここで投入されたのが「自分が『行くよ』と言われてビックリした」という2年生FWの高足善。アップもままならないなかでの緊急出場となったが、身長158cmのアタッカーが眩い輝きを放つ。まずは後半17分、右サイドバックの大竹駿(3年)から「良いボールが来たので決めるだけだった」という好クロスに反応。ヘディングシュートで均衡を破る。

 後半22分に同点に追いつかれるものの、土壇場の同39分に再び見せ場が訪れる。カウンターから右サイドを突いた前橋育英は、再び大竹からのクロスでチャンスを広げ、最後はゴール前のこぼれたボールを高足が左足で押し込みネットを揺らす。結局、これが決勝点となり、上州のタイガー軍団が2対1で接戦の苦しい試合を制した。

 殊勲の2発を決めた高足を前橋育英の山田耕介監督も絶賛。「(ゴールの場面は)偶然いたんじゃない。狙ってあそこにいたんです」「クロスのセカンドボールがどこに落ちるかとか、予測がすごい。ものすごく良い選手」などと、2年生ストライカーを評した。

 高足自身も「身長が小さくて、中学の頃から予測をしっかりしろと言われてきた」と武器となる長所を磨き続けてきたことを明かす。得点シーンはいずれも小兵アタッカーの真骨頂。1点目は「小池(直矢/2年)が前に行ったことで2枚釣られていた」ことでうまくスペースに入り込んだ。決勝点の場面も「自分がサイドにいて、こぼれてくるかなと思って」タイミングよくゴール前に入り込み、左足で蹴り込んだ。

 これで高足は2試合連続の計3ゴール。「これからも点を決めてチームを救えるような選手になりたい」という2年生FWのさらなる躍動に注目が集まる。

取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

【高校サッカー選手権3回戦PHOTO】前橋育英2-1鹿島学園|158㎝のストライカー・高足が躍動!負傷の守屋に代わり2ゴールあげ、前橋育英をベスト8へ導く
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