【横浜】俊輔は「“それ”もやりたいね」。最適解はトップ下>ボランチ?

2015年07月16日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

中盤の底から長短織り交ぜたパスでゲームを構築。

柏戦は0-1の惜敗ながら、決定機の数で相手を上回るなど多くのチャンスを作り出し、中村(10番)や中澤(22番)はポジティブな見解を示していた。写真:徳原隆元

 横浜にとっては消化不良のゲームだった。
 
 28分、相手のCKの場面でキム・チャンスにヘッドで合わせられる。守護神の飯倉は懸命のセーブでこれを弾くも、こぼれ球を工藤に押し込まれる。課題とされるセットプレーからまたしても失点を喫した。

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 リードを許す展開のなか、「相手が1-0で勝っていることもあり、若干引いたっていうのもある」(中澤)のは確かだが、ビハインドを背負ったホームチームは押し気味にゲームを進め、そして多くのゴールチャンスを作り出した。
 
 しかし、結局はスコアを動かせないまま、タイムアップ。決定力を欠いたまま、柏ゴールを最後までこじ開けられなかった。
 
 もっとも、「勝てなかったら意味がない」と中澤は現実を受け止めつつも、「比較的、良いゲームだったとは思う。チャンスも作り出せていた」と一定の評価をする。中村は「(相手ゴール前の)三分の一に入ってから、判断のミスがあったかもしれない」としながらも、「あとは最後の部分だけ」と、フィニッシュに至るまでの過程には少なからず手応えを感じていたようだ。
 
 前節に続き、この日も中村はボランチで先発した。絶対的な存在である背番号10への信頼度の高さは相変わらずで、"まずは中村に預けて"というシーンは多く、中盤の底から長短織り交ぜたパスを配球し、ゲームを構築した。
 
 高いキープ力で奪いにくる相手を巧みにいなす。正確なサイドチェンジを通す。ピッチを幅広く使い、両サイドを効果的に走らせるコンダクターぶりは、ボランチとして十分に機能していた。
 
 トップ下の選手と入れ替わるなり、3列目からもっと飛び出してもいいように見えたが、「混んでいるところに入り込んでも、俺は良くないと思う」ときっぱり。「やっぱりサイドに散らして、(相手の守備陣形を)広げたほうが今日は良い」というその戦術眼は、決定機数7対3という数字を見ても、正鵠を得るものだった。
 
 試合には負けはしたが、「自分たちの形がまたひとつ増えた」と中村は振り返る。「今後、何連勝とかできれば、もしかしたらこの形がベースになるかもしれない。下を向かないで、プラスに捉えてもいいと思う」とも語っていた。

次ページ人材は豊富だが、最適解はいまだ見つけられず。

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