「トミヤスはプレミアのSBとしては物足りない」英国人記者が指摘する、冨安健洋の“弱点”とは?【現地発】

2021年12月18日 スティーブ・マッケンジー

「今のままではプレミアでベストな選手と認められるのは難しい」

アーセナルで不動の右SBとして出場を重ねている冨安。(C)Getty Images

 水曜日の夜、エミレーツスタジアムで行なわれた、アーセナル対ウエストハムの試合を観戦した。冨安健洋を見るためだ。

 エミレーツスタジアムに行くのは、10月の半ばにアーセナルがクリスタルパレスと対戦した時以来なので、彼がどれだけ成長したかを確かめるのは、非常に興味深いことだった。アーセナルのミケル・アルテタ監督の下、この日本人DFはカラバオ・カップ以外の試合ですべて先発出場している。これは、指揮官が貴重な存在とみなしている何よりの証拠だ。

 また、デビューした9月には、クラブの月間最優秀選手に輝いており、地元サポーターもその活躍を認めている。この試合が始まる前、先発で冨安の名前が発表されたとき、スタジアムにいるファンからは非常に大きな、そしてポジティブな反応があった。これだけでも、彼が高く評価されていることが分かった。

【動画】アーセナルがリーグ2連勝、冨安はフル出場! ウエストハム戦のハイライトをチェック
 ウエストハム戦を迎えるまで、エミレーツは守備の要塞と化し、アーセナルはホームマッチの直近4試合で無失点だった。特にGKのアーロン・ラムスデイル、ガブリエウ・マガリャインスとベン・ホワイトのCBコンビは注目を浴びている。もちろん、冨安をはじめとするSB陣も評価されるべきだろう。

 プレミアリーグにおいて、SBはプレーしやすいポジションの一つだと思う。スペースがあり、特に自分の前方が空いているので、それでけでアドバンテージがある。また、クロスがゴールに直結しやすく、アシストがつけば評価も得やすい。

 ただ、この試合での冨安を見る限り、正直、彼がどんなに良いプレーをしても、プレミアリーグでベストのSBと見なされるのは非常に難しいと感じた。リース・ジェームズ(チェルシー)、トレント・アレクサンダー=アーノルド(リバプール)、そしてカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)など、より高いレベルの選手がたくさんいるからだ。

 冨安は、ガブリエウ、ホワイトと良好なコンビネーションを築いている。だが、攻撃面が物足りないのだ。弱点と言っても過言ではない。

 連係が良いからこそ前に出るタイミングには恵まれており、もっと決定機やゴールを演出できるはずだ。だが、そのチャンスを生かし切れていない。左SBのキーラン・ティアニーのように、隙あらば攻撃するような姿勢を、時にはワガママであっても、見せるべきだ。

【動画】冨安がゴッドフリーに顔を踏みつけられた決定的瞬間! 現地でも物議を呼んでいるシーン(27秒~)

次ページ「今のままでは説得力に欠ける」と指摘した点は?

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事