冨安健洋への“顔面踏みつけ”の判定は妥当だったのか。日本人元主審の見解は? 京都の曺貴裁監督は「意図的かどうかではなく…」

2021年12月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

「悩んでいます、両方あると思います」

顔面を踏みつけられた冨安は出血する事態となった。(C)Getty Images

 日本でも物議を醸した判定は妥当だったのか?

 12月14日に配信されたDAZNの番組『ワールドサッカージャッジリプレイ』で、アーセナルのDF冨安健洋への"顔面踏みつけ行為"が取り上げられた。

 問題のシーンは、12月6日に敵地で行なわれたプレミアリーグ第15節エバートン戦(●1-2)の28分に起きた。タッチライン際で敵MFアランと競り合って倒れた冨安の顔を、エバートンのイングランド代表DFベン・ゴッドフリーが踏みつけたのだ。

 冨安は顎付近を切って出血する事態となったが、VARが介入したもののオンフィールドレビューは行なわれず。結果、ノーファウルの判定となり、カードも提示されなかった。現地や日本で物議を醸したこのジャッジは、果たして正しかったのか。

【動画】これがカードなしは妥当?イングランド代表DFが冨安の顔を踏みつけた決定的瞬間 
 まず、ゲスト出演した京都サンガの曺貴裁監督は、「アシスタントレフェリーや第4審は、明らかに踏みつけているのが分かると思う。何でそれが見られなかったのか。教えてほしいですねVARチェックを入れるまでもない気がします」と見解を語った。

 また、Jリーグの原博実副理事長は、「ゴッドフリーをよく見ると、味方にパスを出して、そっちのほうを見ている。見ていて冨安に引っ掛かって、足をついたら冨安の顔のところで、慌てて足を引っ込めているような仕草にも見える。冨安だけを見ていたら、足をどかせたと思う。そのへんをどう判断するか。僕は故意には見えなかった」と持論を述べた

 元国際主審で、現在はFIFAの審判インストラクターを務めている深野悦子さんは、この両者の主張に対して、「悩んでいます、両方あると思います」と切り出し、こう意見を述べた。

「顔とか腹に足の裏が入るのは危険ですし、レッドカードという意見もある。ただ、スピードとか強さがそこまでじゃない。意図的だったのか、意図的ではなかったのかはどちらもある。踏みつけたかといえば、踏みつけにはいっていなかった。ちょっとよける仕草もあった。最悪のところを回避したと思えば、カードを出さなかったのも支持できる」

 そして、「現場のレフェリーがカードを出していれば、そうですねとなるし、こうなった(カードなし)結果にも、そうですねと言える。ただ、曺監督の言うように、第4審判は分かっていてほしかったというのが私の意見です」と続けている。
 

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