【U-18プレミアリーグ前半戦総括】WEST編|リーグを牽引した大阪の2強。輝きを放った前半戦ベストプレーヤーは?

2015年07月15日 森田将義

【リーグ前半戦】強さを印象付けたC大阪U-18。タレント力では互角以上のG大阪ユース。

C大阪U-18の最終ラインを統率する庄司朋乃也。東京五輪世代の注目株のひとりだ。写真:森田将義

 失点9はリーグ最少。奪った得点23はリーグ2位。数字が示すようにプレミアリーグWESTの前半戦はC大阪U-18の強さを印象づけるものだった。
 
 その原動力となったのは、大熊裕司監督が「苦しい試合でも粘り強く勝点を拾えているのは失点が少ないから」と評価する守備。日本一となった昨季から、主力の多くが卒業したものの、「3年間ずっと、ボールに激しく行くように言い続けている」(大熊監督)と積み上げてきた桜の伝統は今季も変わらない。

【U-18プレミアPHOTO】WEST編|前半戦ベストプレーヤー
 
 守備面では前線からのアグレッシブな守備が浸透していることに加え、庄司朋乃也と森下怜哉のCBコンビが成熟していることも心強い。攻撃は井上泰斗、岸本武流の2トップが好調をキープ。ただ後方からラフにボールを預けても、チャンスに結びつけることができる一方で、「2トップに簡単に預けてしまって、中盤での展開が雑になっている」(大熊監督)という課題も。修正次第ではさらに強さを増す可能性は十分だ。
 
 2位は9節でそのC大阪を4-0で下したG大阪ユース。この日の試合内容は「ガンバを見習わないといけない部分がたくさんある」と敵将の大熊監督が口にするほどで、チャンスをきっちりモノにし、守備も今季初めて無失点を記録。
 
 低調な展開が続いてきた前半の試合運びにも修正が見られた。タレント力でも頭ひとつ抜けており、取りこぼしさえ無ければ後半戦も大阪2チームが先頭集団を引っ張るはずだ。
 
 サプライズは3位の大分U-18と4位の東福岡。初参戦の大分は攻守ともに戦う姿勢を見せ続け、ここまで5勝2分2敗。5節ではC大阪から勝利を奪うなど番狂わせも起こしている。東福岡は初戦でC大阪に大敗したが、以降は堅守速攻を徹底し、1点差の試合を4度モノにするなど、しぶとく勝点を積み上げた。エースMF中坂勇哉が復帰した神戸U-18とともに、後半戦もリーグをかき回す存在になりそうだ。
 
 中位以下は明暗が分かれた。京都U-18、名古屋U18、履正社の3チームは守備の不安定さが仇となり、序盤戦でつまづいたが、7節のリーグ再開後からはディフェンス陣が機能。一方、京都橘、広島ユースは未だ苦戦が続いており、10節終了後に待つ2度目の中断期間に解決の糸口を見つけられるかが浮上への鍵になりそうだ。

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