浦和レッズでの総務部異動が名GMへの転機に!? FC岐阜が悲願のJ2昇格へチーム強化を託した男とは…

2021年12月14日 佐藤亮太

浦和が黄金期を迎えた2006年2月、強化部長に就任し、中村修三GMとクラブを支えるが…

J3岐阜のチーム統括本部長に選出された山道氏。写真:佐藤亮太

 来季、J3で3年目を迎えるFC岐阜は最良の懐刀を得た。

 今月7日、FC岐阜は浦和レッズをはじめV・ファーレン長崎、京都サンガF.C.で強化を務めた山道守彦氏(58)のチーム統括本部長就任を発表した。

 山道氏は「『強くて魅力あるチーム』『地域に愛されるクラブ』をより一層具現化する取り組みに賛同し、共に戦っていきたい」とコメント。目標を来季のJ2昇格に挙げた。

 山道氏とFC岐阜をつなげたのは「浦和レッズ」だった。
 
 今回、山道氏に声をかけた新代表・小松裕志(ゆうし)代表取締役社長(33)は実は浦和レッズユース出身。必然というべき邂逅だ。まさにふたりは赤い糸で結ばれていた。ちなみに小松社長のユース時代の同期には今季限りでの浦和退団が決まったMF宇賀神友弥やJ2東京V所属のFW小池純輝らがいる。

 山道氏の就任理由について小松社長はサッカー界に広く人脈があり選手の情報などが集まりやすいこと。クラブの現状に合わせた的確な補強ができることとした。

 これが山道氏の真骨頂だ。

 浦和が黄金期を迎えた2006年2月、強化部長に就任。当時の中村修三GMとともにクラブを支えたが、2008年12月中村GMの異動とともに、山道氏も2009年1月総務部に異動となった。

 その際、クラブは強化部を刷新。浦和OBである信藤健仁氏をチームダイレクターに迎えたものの2009年12月、体調不良を理由に退任。

 代わって同じくOBの柱谷幸一氏を強化責任者とした。2011年9月、成績不振などに伴い、柱谷氏が契約解除となると、山道氏が強化部長に返り咲いた。

 強化を離れた総務部での約2年半。この雌伏の時期がのちの素地となった。山道氏は当時をこう語った。

「毎日、多くの書類を目にするなか、このクラブはどこにどのくらいお金が使われているのか、手に取るように分かるようになった」

 クラブ経営に欠かせない予算の流れを理解したことは、その後のGM人生に大いに役立った。
 

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