【三浦泰年の情熱地泰】最近見たサッカーより面白かった「日本シリーズ」。同時に覚えた危機感の元は?

2021年12月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

野球の魅力を改めて感じさせるパワーがあった今回の「日本シリーズ」

4勝2敗で東京ヤクルトスワローズが制した今年の日本シリーズ。勝負が決した第6戦も延長戦に突入する熱戦となった。写真:塚本凜平(日本スポーツ企画出版社 写真部)

『サッカーダイジェスト』のコラムに「野球の事を書くなー」と言われるかもしれないが、何年ぶりだろうか? 真剣に野球をテレビで観戦した。それも食い入るようにだ。

 オリンピックも終わり、普段はなかなかサッカー以外のスポーツを食い入るようになど見ることはないが、珍しく「日本シリーズ」にハマってしまった。
 
 と言っても、6試合行なわれた中で3試合の観戦だったが、特に初戦と第5戦の劇的度と興奮度は、野球の魅力を改めて感じさせる物凄いパワーであった。

 野球の放送も昔のジャイアンツのようにお茶の間でいつも見られる訳ではなくなり、時代の移り変わりを感じるが、地方に行けばやはり露出はサッカーより高い。鈴鹿であればドラゴンズの番組は目につくし、福岡にいた頃はやはり現役時代はダイエー、監督時代はソフトバンクと、サッカーとは比較にならないくらい関心度は高いのだ。

 今回の日本シリーズに興味があったのは、両チームともに確か昨年は最下位であったと聞いたからだ。

 見ていなかった訳だから、耳に入ってくる情報だけの知識だが、セリーグは日本シリーズで全く歯が立たず何連敗もしている。そしてパリーグはソフトバンクが強すぎる……というのが、ここ最近のプロ野球に対する印象だ。

 誰かに「やっさんは何処のファンなの?」と聞かれたら「ソフトバンク」と答えるが、そのソフトバンクの日本シリーズもスポーツニュースではチェックしたが、生で見たことはなかった。

 監督として現場に戻った先の鈴鹿で、偶然チャンネルが日本シリーズに合い、4回から最終回までどちらを応援する動機など何もないのに、何故かセリーグのヤクルトを応援していた(笑)。

 初戦の試合はヤクルトがサヨナラ負けし、このショックは大きいなー、やっぱりパリーグか、と思えば翌日は2-0でヤクルトが勝っていた。

 解説者、評論家は2戦目を取ったチームが優位とポツリと言っていたが、結果その人が言った通りであった。6戦やって5試合が1点差。紙一重の戦いでヤクルトが4勝2敗で日本一の座に就いた。

 パリーグにソフトバンクが出てこないと、ここだけセリーグのファンになっている。

 6戦目、延長12回。11月の寒い夜に舞い上がった高津監督の胴上げまで確認した(笑)。
 

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