“出し手”としての強みを持つSB山根&中山のプレーから見えた森保ジャパンの修正力。オマーン戦の鍵はサイド攻撃にあり

2021年11月12日 清水英斗

プレッシングを生かしたサッカーが今後の最終予選でキーポイントに

前半は停滞気味だった日本の攻撃。後半から山根と中山が変化をもたらした。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 日本代表は11月11日、ワールドカップ・アジア最終予選でベトナム代表と対戦し、1-0の勝利。最後まで追加点を取れず、消化不良感は残ったが、最低限のミッションである勝点3は挙げた。スッキリはしなかったが、キッチリと結果を残した。

 日本はオーストラリア戦に続き、[4-3-3]で臨んだが、前半はポゼッション時に問題があった。左サイドバックの長友佑都を高い位置へ上げ、その後ろに守田英正を開かせ、ゲームメイクの基点を作ったが、守田がボールを落ち着かせたあとのイメージが乏しかった。攻撃はスピードが上がらず、ベトナムを困らせるほどの質もなかった。

 また、右サイドへ展開したあとも、山根視来と伊東純也のサイド攻撃は詰まった。伊東が大外に開き、それを山根が内から追い越す動きが目立ったが、ベトナムのスライドが間に合い、スペースを封鎖されてしまう。右サイドをえぐり切る場面は少なかった。
 
 質の上がらないポゼッション攻撃。しかし、ベトナムがアグレッシブな姿勢を見せたのは、日本にとって幸いだった。[5-3-2]を敷きつつも、前からプレスをかけ、最終ラインも高い位置でキープしてくれるため、カウンターが効果的になった。

 17分の先制の場面は、相手GKのロングキックを冨安健洋がはね返し、こぼれ球を拾ってのカウンター。大迫勇也のポストプレーから、南野拓実がドリブルで相手3バックの脇に空いたスペースを進み、最後は折り返しを伊東が流し込んだ。

 VAR介入でノーゴールの判定となったが、前半終了間際に伊東が迫ったシュートシーンも、相手CKからのロングカウンターだった。日本はそのほかのチャンスもカウンターで作ることが多く、ベトナムの積極的なスタイルを獲物にした。11月を迎えて気温が下がり、アウェーでも気候的には運動量を上げやすくなっているので、プレッシングを生かしたサッカーは、今後の最終予選でもキーポイントになるだろう。
 

次ページ後半は山根がポジショニングを修正

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事