【なでしこサッカー新時代】第6回 塩越柚歩(後編)|「WEリーグを成功させなくちゃいけないという使命感がある」

2021年11月15日 西森彰

「勝利へのこだわりはユース時代に教わった」

WEリーグへの思いを明かした塩越。 写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

「なでしこサッカー新時代」第6回、三菱重工浦和レッズレディースの塩越柚歩選手の後編をお届けする。浦和の生え抜きプレーヤーがユース時代を振り返り、今度はWEリーガーとして新たな道を突き進んでいるなか、今の日本に必要なことを語ってもらった。

 
――塩越選手は、浦和でジュニアユースからやってきた生え抜きの選手ですが、育成年代の思い出や、浦和ならではの印象に残っているシーンなどを教えてください。

 一人ひとりが、勝利にこだわるという部分でしょうか。ユース時代は、練習試合などで1失点するごとに、ダッシュ10本というペナルティもありましたね(笑)。ただ、そういった「勝利へのこだわり」という部分は、ジュニアユース、ユース時代を通じて、すごく教わった部分かなと思います。

 それに、この時代は、ホームゲームには運営のひとりとして携わり、ボールガールや担架要員をしながら、トップチームの試合を間近で見学していました。トップの選手の試合に対する熱意や、キックオフに向けての顔つきの変化を、ジュニアユースの時から見させてもらって、すごく感じることがありました。ハイレベルな戦いを、すごく楽しそうにしているなとか、そんな中でも勝負にこだわっているなとか……間近で感じることができたのは、貴重な体験でした。

――そうした体験を経て、トップチームでプレーしてみたとき、「一番、違ったな」と感じた部分はありましたか?

 やはり、「全部が違うな」と感じました。サポーターの方々の応援が大きかったように思います。自分たちと一緒に戦ってくれているということを体感し、チーム全員で勝ちに向かうという部分は、トップチームで戦ってこそ感じる部分です。

――浦和のユースからトップに上がる選手たちは、塩越選手のように、身長があり、スピードもあってという選手が多いと感じます。体づくりという部分でも、しっかり指導を受けているのですか?

 今はコロナ禍で中止されていますが、練習後に、チームに夕飯を出してもらっていました。「最低限、これくらいのものを食べなさい」という基準があり、体つきがしっかりした子が増えたのかなという感覚はありますね。普段から指導はされていましたが、特に合宿の時の食事は、非常に管理されたものを食べていました。練習後の食事は私のひとつ下の世代の選手たちからの試みですが、影響はあるように思います。
 

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