ベトナム戦は4-3-3継続か、4-2-3-1回帰か? 森保監督が絶大な信頼を寄せてきた柴崎岳の起用法は?

2021年11月10日 元川悦子

サイドを有効活用するなら4-3-3がベターか

10月のオーストラリア戦のスターティングメンバー。4-3-3の新システムで勝利を掴んだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 9月のオマーン戦(吹田)、10月のサウジアラビア戦(ジェッダ)と、2022年カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選が始まってからというもの、2連戦の初戦を立て続けに落としている日本代表。今回の11月2連戦も11日の初戦・ベトナム戦(ハノイ)が鬼門だ。
 
 実際、2日前の練習に間に合うはずだった吉田麻也(サンプドリア)、南野拓実(リバプール)ら欧州組11人がチャーター機のトラブルに見舞われ、調整時間が減ってしまった。まさにぶっつけ本番となるベトナム戦をどう戦うのか……。森保一監督も頭の痛いところだろうが、相手の出方を見つつ、最善策を練っていくしかない。

 そこでベトナムの戦い方を簡単に分析すると、パク・ハンソ監督が採る基本布陣は5-4-1。ここまでの4戦を見ると、そこまでベタ引きというわけではなく、コンパクトに保ってボールを奪い、武器であるカウンターを狙ってくる形だ。ただ、守備時に両ウイングバックが中に絞る傾向が強く、大外が大きく空く。そこをどう生かすかが日本攻撃陣にとっての大きなポイントと言える。

「サイドからの攻撃だったり、クロスボールからというのがひとつ絶対に起点になるところ。必ずスキはあるので、スペースはなくてもひとつの動き出しで背後は取れる」と10月のオーストラリア戦(埼玉)で殊勲の決勝弾を叩き出した浅野拓磨(ボーフム)が言えば、長友佑都(FC東京)も「ブロックを作って中を閉めてくるけど、外は勝負できるなという印象がある。裏への対応やポジショニングが悪い部分が見えてきたのでそこを突けばいい。中も大きい選手がいないので、いい質のクロスを上げられれば必ず点につながる」と狙いどころを明確にしていた。

 こうした攻撃を仕掛ける場合、日本の布陣を4-2-3-1に戻すべきか、オーストラリア戦の4-3-3を継続すべきかは判断が分かれるところ。カウンターのリスク管理を重視するなら2ボランチの方がよさそうだが、いい距離感でボールを回しながら、サイドを有効活用しようと思うなら、4-3-3の方がベターかもしれない。

【PHOTO】W杯アジア最終予選ベトナム、オマーン戦に臨む日本代表招集メンバーを一挙紹介!

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