桐光学園が7年連続の県決勝へ! 値千金の決勝弾を叩き出したヒーローはこの2年の悔しさを晴らせるか

2021年11月07日 安藤隆人

桐光学園MF田中英泰が準決勝の東海大相模戦で決勝点

桐光学園の田中が準決勝の東海大相模戦で決勝点を挙げた。写真:安藤隆人

 高校選手権神奈川県予選の準決勝第1試合、桐光学園vs東海大相模の一戦でヒーローになったのは、桐光学園の左サイドハーフ・田中英泰だった。0-0で迎えた76分、桐光学園は右CKを得ると、DF寺内倖大が蹴ったボールに反応した田中は、ニアに飛び込んで首を捻りながら叩きつけるヘッドをファーサイドに放った。ボールはワンバウンドをして、ゴール右サイドネットに吸い込まれ、チームを7年連続の決勝進出に導く値千金の決勝弾を叩き出した。
 
「自分のところに来るとは思っていなかった。持っていますね」

 試合後のヒーローインタビューではこう語り、観客を笑わせたが、この試合で彼の前への推進力と意表をついたパスは大きなアクセントになっていた。この試合、チームの大黒柱であるボランチの山市秀翔が大学受験の関係で試合開始には間に合わず、途中でのベンチ入りとなったため、スタートにはいなかった。

 それもあって立ち上がりはリズムを作るのに苦労していた。田中の元にもなかなかボールが届かなかったが、その分彼は守備面でハードワークを見せた。ボランチとサイドバックをケアしながら、セカンドボールを拾っては時間を作って、チームに流れを引き込もうとした。

 彼の魅力が一気に発揮されたのは後半だった。後半13分、左サイドでロングパスから抜け出したFW粟江晟が抜け出すと、田中は猛然とダッシュをして粟江を追い越してラストパスを受けた。左手で相手DFのコースをうまく塞ぎながら前に出ると、GKと1対1のシーンを作り出す。シュートは東海大相模GK境野秀音のファインブロックの前に阻まれたが、ようやく訪れたチームの決定機に、流れは一気に桐光学園に引き寄せられた。

 その後は前線の粟江とFW三原快斗のドリブルを得意とする選手と連動して前への推進力を引き出すと、後半28分に山市が投入されたことにより、攻撃のバランスが整って徐々にゴールに近づいていったからこそ、同38分の自身の決勝弾につなげることが出来た。

 しかも彼にとっては、これが2試合連続で試合を決定づけるゴール。準々決勝の市立橘戦でも2点目のゴールを決めて、2-1の勝利に導いた。

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