ジタバタせず、強気に、平常心で臨む。高木サガミハラ、いよいよ本格化する残留争いをいかに勝ち抜くか

2021年10月30日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「攻撃はしないといけない。攻撃をしながら守備をする」

今季も残り7試合。混戦模様の残留争いを勝ち抜くうえで、高木監督は“自然体”を強調する。写真:滝川敏之

 残留を争うライバルとの一戦。10月24日に行なわれたJ2リーグ第35節で、22位のSC相模原は18位のツエーゲン金沢をホームに迎え、1-1のドローで試合を終えた。

 14分に藤本淳吾のPKで先制。1点リードのまま試合は推移し、後半アディショナルタイムに入る。このまま逃げ切れるかと思われた矢先の90+3分に被弾。久々の白星を目前にしながら、引き分けに持ち込まれた。

"勝点2"を取りこぼしたという見方はできるかもしれない。ただ、高木琢也監督は「残念ながら追加点が入らず、ああいう同点のされ方をしただけ」と泰然と構える。動じていない。フィニッシュの課題は認めつつ、「アタッキングサードまでの進め方はすごく良かった」と振り返る。

 35節終了時で、最下位の相模原の勝点は30。残留圏の18位にいる同33の金沢との勝点差はわずか3ポイント。残り7試合。高木監督が常々、「最後に決まる」と口にしているとおり、残留を目指す戦いは、ここからさらに本格化していく。

 今後の熾烈なサバイバルを見据え、指揮官は「技術論より、精神論のところは少し重要にはなる」と考えている。もちろん、緻密な戦略家として毎試合、細部にこだわった準備には余念がない。ただ、選手たちの実際のプレーを支えるメンタル面や"気持ち"も重要視している。

 及び腰にならず、どれだけ豪胆に戦えるか。貫くのは攻めの姿勢。高木監督は「守るのか、攻めるのかとなった時、やはり攻撃するほうが強い」と言葉に力をこめる。

「押されると、大胆なプレーができなくなる。特に守から攻になった瞬間に、そこで相手をかわさなければいけないのに、蹴ってしまったり」

 そうしたシチュエーションはできるだけ回避したい。「攻撃はしないといけない。攻撃をしながら守備をする」イメージだ。
 
 気負いすぎるのも、よしとしない。「普段どおりにできるか。リラックスしないと、攻撃ではアイデアも何も浮かばないから。ある程度、リラックスしてやらないと面白くないと思います」。できるだけ緊張もしないように。「視界が暗くなり、見えなくなる」からだ。

 そして、勝っても負けても、一喜一憂しない。残り試合数が少なくなればなるほど、精神的な部分が占める割合は大きくなる。

「それは勝っていても、負けていても一緒。勝っていても、ずっと下に甘んじていると、良い状況になった時に気が抜ける時がある」

 ジタバタせず、強気に攻める。過剰に"燃える"必要はなく、平常心で臨む。まずは次節のギラヴァンツ北九州戦。勝点1差の20位のチームとのアウェーゲームで、6試合ぶりの勝点3を持って帰ることができるか注目だ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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