【ルヴァン杯決勝プレビュー|名古屋】セットプレーの守備は喫緊の課題。2トップの連動へのサポートも重要

2021年10月29日 今井雄一朗

懸案事項はもはや疲労にはない

名古屋グランパスの予想フォーメーション

ルヴァンカップ決勝
名古屋グランパスvs.セレッソ大阪
10月30日/13:05キックオフ/埼玉スタジアム2002

名古屋グランパス|ファイナルまでの道のり
▼準々決勝
第1戦 鹿島アントラーズ(H)〇2-0
第2戦 鹿島アントラーズ(A)〇2-0
▼準決勝
第1戦 FC東京(H)〇3-1
第2戦 FC東京(A)●1-2

【名古屋グランパス|決勝プレビュー】
 旗色は相当に悪いと言わざるを得ない。

 偶然にもこの一戦の前哨戦となった水曜日の天皇杯準々決勝で、名古屋はC大阪に0-3の完敗を喫している。相手はファイナルを視野に入れたターンオーバー布陣でもあり、敗戦のショックは倍にも感じられる苦しいものに。

 マッシモ・フィッカデンティ監督は選手の入れ替えやセットプレーの強さなどは想定内だったと語ったが、そのうえで「こういうゲームをされるとは思ってなかった」と悔やむ姿に、次戦の厳しさは滲み出た。

 24日のリーグ戦から続く中2日での3連戦は同条件ながら、その前段に2週間のインターバルが得られたC大阪とは、単純な疲労感の部分でも差は大きく、公式戦ここ3試合で2敗1分の結果も名古屋の疲弊を加速させる。
 
 ただ、決勝に臨む名古屋の懸案事項はもはや疲労にはない。昨季から続く連戦の日々は彼らを逞しくもし、今年はすでに国内外で1か月を超える隔離生活の中での試合を経験してきた。「正直、そういった部分でも強くなれたという感覚は我々自身にある」とフィッカデンティ監督は言う。

 中2日での準備の仕方はネガティブな意味も含むが慣れたもので、メンタルの切り替えや限られた時間内で最大限の戦術を用意する手練手管は研ぎ澄まされている。ここにきて米本拓司や阿部浩之など負傷者が増え、起用できる選手が減ったことは痛手でも、その時点でのベストメンバーで最善手を指し続けるのが名古屋の戦い方だけに、日程の不利は彼らにとっては言い訳にならないし、しない。

 かくして課題はもっと直接的で、実戦で起きている事象の部分にこそ色濃いのが彼らの悩みどころ。なかでもセットプレーの守備は急を要する最重要課題で、17日のACL浦項戦、24日のリーグ神戸戦、そして27日のC大阪戦では左右のコーナーキックから叩き込まれて2失点とウィークポイントの様相を呈してきた。

 基本はゾーンでの守備を敷く名古屋だが、ことによってはマンツーマンも交えて対応をシンプルにすることも考えられ、それ以前にセットプレーを不用意に与えない慎重な守備の対応が肝にもなってくる。堅守が売りのチームだが、ファウルが命取りになりかねない相手とタイミングだけに、明確さに基づいた力強い守備を取り戻したいところだ。

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