GK小久保玲央ブライアンは「寂しさがある」とぽつり。“ワンチーム”の一体感を噛みしめながら、決勝ウズベク戦に臨む「勝って全員で喜びたい」【U-23アジア杯】

2024年05月03日 松尾祐希

浜野コーチとは密にコミュニケーション

最後尾からチームを支え続けた小久保。「最後はトロフィーを掲げたい」と意気込む。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 4月8日にカタール入りしてから、5月3日で26日目。U-23アジアカップの戦いはついにフィナーレを迎える。

 大岩剛監督が率いるU-23日本代表は、4月29日の準決勝でイラクを2-0で下し、パリ五輪の出場権を無事に獲得。残すはもう一つのミッションであるアジア・ナンバーワンの称号を勝ち取るだけになった。決勝ではウズベキスタンと激突する。

 苦しかった出来事は数え切れないほどあり、中国とのグループステージ初戦(1-0)ではDF西尾隆矢(C大阪)が退場となって苦戦を強いられた。3戦目では韓国に0-1で敗北。負けたら完全にパリ行きが潰える準々決勝では、数的不利のカタールに1点のビハインドを背負いながらも粘り強く追いつき、延長戦の末に4-2で凱歌をあげた。

 いろんなことが起こったなかで、5月2日にチームは今大会最後の練習を18時から行なった。

 トレーニング後、GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)に話を聞くと、「最後は負けて終われないところがある。勝って全員で喜びたい」という言葉とともに「寂しさがある」という想いもこぼれた。

 大岩監督や羽田憲司コーチといったスタッフ陣、23人のメンバーはもちろん、チームを陰から支えてくれた人たちとともに"ワンチーム"となって戦ってきた。1か月弱、苦楽を味わってきた仲間がいたからこそ、乗り越えられたこともたくさんある。そのなかで小久保は、バックアップをしてくれたスタッフ陣について想いを述べた。

「スタッフも選手も陽気な方々がすごくいて、それが自分たちのコミュニケーションにもつながっていた。やっぱり、選手ミーティングとかでもいろんな人が話をしてくれたし、トレーナーの人たちも、自分たちを治療してくれている時もいろんな話をしてくれた。陰で支えてくれている人たちが自分たちの雰囲気を良くしてくれているので、結果につながっているのかなと思います」
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 また、GK陣の結束も強く、野澤大志ブランドン(FC東京)、山田大樹(鹿島アントラーズ)、浜野征哉GKコーチに対する想いも強い。

「日を重ねるごとに雰囲気がどんどん上がってきている。もう終わっちゃうのかと思うぐらいで寂しさもある」

 野澤や山田に支えられ、小久保自身も勇気をもらってきた。そして、浜野コーチとは密にコミュニケーションを取り、様々な言葉をかけてもらったことを心に刻んでいる。

「浜さんとはいろんな話ができている。それは大志もヤマにも伝わっていると思うけど、浜さんは日常的にずっと僕たちにアドバイスをくれているので、すごく助かっている」とは小久保の言葉。いろんな人の支えがあって、決勝の舞台まで勝ち上がってきた。

 負けるわけにはいかない。「最後はキーパーチームでも乗り切って、ゴールを守る、そしてトロフィーを掲げたい」と言い切った小久保は、アジアの頂点を目ざす最後の戦いに臨む。いろんな人の想いを背負う日本の守護神は、このメンバーで戦える喜びを噛み締めながら。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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