3日前に「平均以下」と評された古橋亨梧が汚名返上の一撃! 英国人記者が目を瞠ったプレーとは?【現地発】

2021年10月21日 スティーブ・マッケンジー

「彼はもうとっくにヒーローなのだ」

ELのフェレンツバロシュで躍動した古橋。(C)Getty Images

 10月19日に行われたヨーロッパ・リーグは、セルティックに所属する古橋亨梧にとって、先週土曜日に行なわれたマザーウェル戦で「不甲斐ない」と評されたパフォーマンスを挽回する、絶好の機会だった。

 火曜日の午後3時30分にキックオフされた試合で、開始直後の古橋のパフォーマンスは非常に控えめだった。フェレンツバロシュのDFにしっかりとマークされ、簡単にはボールを扱えないようにされていたのも大きいだろう。

 チームメイトとの連係がいまいちであることも透けて見え、後半の早い段階で得た絶好機はオフサイドで台無しになった。どうも身体が重そうに見えたのが正直な感想だ。

 そんななかでも、彼はゴールを狙える位置に常にポジションを取っていた。そして57分に、それまでの出来から見違えるようなプレーを見せる。味方からのロングパスに反応し、完璧なファーストタッチでボールを収め、右足でゴールを決めたのだ。セルティック加入後の9点目となるこの先制点で、おそらく彼自身も安堵しただろう。
 
 85分で交代した古橋には、サポーターからスタンディングオベーションで労われた。以前、私は彼をセルティックの新たなヒーロー候補であると評したが、もうとっくにヒーローとなっているのは、このシーンからも分かる。

 包み隠さず明かせば、マザーウェル戦での古橋のパフォーマンスを『サブ・パー(平均を下回ることの意)』と評した現地メディアもあった。これまでの素晴らしい活躍に比べれば、確かに物足りなさはあった。日本代表戦に参加した疲れや、ケガ明けの影響もあったに違いない。だが、フェレンツバロシュ戦のパフォーマンスは、日本人ストライカーが再び軌道に乗ったことを示した。

 ところで、スコットランドでは古橋の成功を喜ばしく受け止めており、アンジェ・ポステコグルー監督がいったい次に誰をJリーグから連れてくるのか、非常に注目を集めている。"第二のキョウゴ"の出現こそが、リーグタイトル奪還を実現する最後のピースとなるはずだ。

取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

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