「選手権で優勝した後、小嶺先生に怒鳴られて…」指導者に転身した平山相太がいま振り返る高校時代と理想とするFW像

2021年10月21日 長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

「試合の動画の編集をしたり、毎日忙しくやっています」

現在は仙台大の学生として励む傍ら、サッカー部のヘッドコーチとしても活躍する。(C) YOSHIMOTO KOGYO

 平山相太――。かつて高校サッカー界で「怪物」と騒がれたストライカーはいま、大学生として勉学に励む傍ら、指導者の道を歩んでいる。長崎・国見高時代には高校選手権で二度の得点王に輝き、チームの全国制覇に貢献し、U-20ワールドカップにも出場。アテネ・オリンピックに出場後は、オランダのヘラクレスで海外移籍を経験し、日本ではFC東京とベガルタ仙台でも活躍した。

 2019年に引退した後は仙台大に学び、指導者へと転身。「指導者としてはまだまだ実力不足」と言いつつも、今シーズンからはヘッドコーチとして辣腕を振るい、チームの開幕4連勝に貢献している。

 果たして、現役を退いて2年が経過したいま、平山相太は指導者としていかなる日々を送り、どこへ向かって邁進しようとしているのか。

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 今は大学に通いながらチームの指導をしているんですが、練習の後はその日の振り返りをしたり、試合の動画の編集をしたり、毎日忙しくやっています。動画の編集もまだこの春に始めたばかりで右往左往しながら、けっこう時間がかかりますね(笑)。

 昨年は東北社会人リーグ2部を戦うセカンドチームの監督をやっていました。大敗する試合もあれば、大勝するような試合もあり、一方で接戦で勝つ試合もあったり。すごく刺激的な1年でした。全員攻撃・全員守備を大前提に、あとは攻撃ではどこのスペースを狙うのか、守備ではどうやって奪うのかを、試合ごとに提示しながらやっていきました。

 ただ、去年は3月からコロナ禍があって、その対策にもすごく気を遣いましたし、やはり大変な一年ではありましたね。今年からはトップチームを担当していて、ヘッドコーチの役割を担っています。学生として学校に通いながら、コーチとして公式戦のベンチに入っています。

 指導者としては、やっぱり小嶺先生の影響はすごく大きいですよ。本当にサッカーに対しても厳しかったけど、挨拶だったりいろんな人間性の部分で口酸っぱく、厳しく言っておられて、高校生の頃は分からなかったですけど、現役だったりコーチをやっていく中で、その意味が分かってきた気がします。
 

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