「最初はキツかった」今季4点目のロンメル斉藤光毅が明かした苦悩と壮大な目標。三笘のハットには「比べたらいけないんですが…」【現地発】

2021年10月18日 中田徹

「めちゃくちゃ嬉しかった」と語った“再訂正”

8戦4発とベルギーでコンスタントに結果を残している斉藤。(C)Getty Images

 ベルギー2部ロンメルのストライカー、斉藤光毅は10月17日のムスクロン戦の67分にゴールを決めて、3-0の勝利に貢献した。相手DFラインの裏をフリーランニングで突き、味方からのロングフィードを正確なトラップで止め、細かいフェイントでマーカーを棒立ちにしてからゴール右隅に蹴り込んだ。この20歳の長所が随所に出たゴールだった。
【関連動画】ロングフィードに見事なトラップ→DF2人を翻弄して決めた斉藤光毅のゴラッソ

 これでシーズン3点目だ――。そう思いきや、実は4ゴール目だった。今から1か月前のリールセ戦の開始1分、コーナーキックから斉藤がヘディングで決めたゴールは、ハーフタイムで"オウンゴール"に訂正されたが、その後、斉藤のゴールに再訂正されていた。

「『絶対に俺の点だろう。ちょっと(相手のDFに)当たっただけでオウンゴールになってしまうのか』ってショックだったんですが、その後自分のゴールになったのでめちゃくちゃ嬉しかったです」(ムスクロン戦の斉藤。以下同)

 ロンメルの試合を見ていると、斉藤を使ったビルドアップやチャンスメークをかなり作り込んでいる印象を受ける。リールセ戦(3‐1でロンメルの勝利)では、斉藤が中盤に下がってボールを受けビルドアップの起点になった。特に、フリーランニングで自分を追い越していく味方へのフリックは絶妙だった。
 
 ムスクロン戦では前線に留まり、チームの攻撃に奥行きを作り、前半は楔役になったり、右のオープンスペースでボールを受けたりした。後半は囮になり、逆サイドに展開された攻撃から"第3の動き"を忠実に実行してチャンスに絡んだ。

 オランダ人指揮官のペーター・ファン・デル・フェーン(元オランダU‐19監督)は、斉藤の長所を存分に引き出している。
 
「監督からはかなり自由にやらせてもらっていて、そんなに細かいことは言われないです。背後へのランニングという僕の特徴もわかっていて、『相手が嫌がっている』と言ってくれます。ゴールを決めれば一緒になって喜んでくれます」

 8節を終え、斉藤は7試合に先発し、内4試合にフル出場している。スプリントを繰り返して疲労困憊して足がつっても、指揮官がピッチに残したことがある。「素直に嬉しいですね。疲労の中でいろいろ試せるし、次の試合の90分間が楽になります」と充実した表情で語る。

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