「大の字」になって倒れ込んだ田中碧。ありったけの力で、全身全霊で戦い抜いた【厳選フォトコラム】

2021年10月14日 金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

年上で経験ある選手にも、臆せず指示を飛ばす

タイムアップと同時に、まさに「大の字」になってピッチに倒れ込んだ田中。攻守の両局面で存在感を示し、チームの勝利に大きく貢献した。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 文字通り、「大の字」だった。

 埼玉スタジアム2002で行なわれたオーストラリア戦、日本は2-1で勝った。先制して、同点に追いつかれて、相手のオウンゴールで勝ち越す。ギリギリの勝負で競り勝つ。そんな勝利だった。

 得点力不足に悩む森保ジャパンが、開始8分で先制点を奪う。決めたのは、この試合が代表初先発の田中碧選手。これが代表初得点。そういえば、フロンターレのデビュー戦でも、田中選手はJ初ゴールを決めている。"持っている"選手だ。

 攻撃でも守備でも、ハードワークをこなしていた。年上で経験ある選手にも、臆せず指示を飛ばす。ワールドカップ出場がかかる最終予選。負けられない強豪オーストラリアとのホームゲーム。そんな大事な試合でスタメンに抜擢された。緊張していたのかもしれないけど、それを微塵も感じさせない堂々としたパフォーマンスだった。
 
 死力を尽くす。全力を出し切る。そうでもしなければ、あんな風にピッチの上に寝転ぶことはできない。ガソリンがなくなっても、走り続けた。あと一歩、もう一歩。まだ動ける。まだまだ戦える――。

 そしてタイムアップ。「大の字」になった田中選手は、秋の夜空を見つめながら、何を思っていたのだろうか。

写真・文●金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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