“勝利しか許されない”オーストラリア戦。森保ジャパンの三大必見ポイント【W杯最終予選】

2021年10月11日 河治良幸

指揮官に求めたいのは変える決断を留まらないこと

予選3試合を終えて1勝2敗の日本。ホームでのオーストラリア戦は是が非でも勝利を掴みたい。(C)JFA

2022カタール・ワールドカップ
アジア最終予選 第4節 日本代表×オーストラリア代表
10月12日(火)/19:10/埼玉スタジアム2002

 来年の本大会に向け、自動突破の条件となる予選グループの上位2枠に入ることを考えれば、ホームのオーストラリア戦は負けられないというより、勝利しか許されない。しかし、体格的な特長などが大きく違うとはいえ、オーストラリアもサウジアラビアと共通するのはボールを動かしながら位置的優位を取りに来ることは変わらない。

 技術面や強度、攻守の切り替えなどで完全に上回れない相手の場合、結局はそこで劣勢になると守備で後手を踏み、攻撃でも無理が生じてしまうというのは今後、相手のレベルが上がるほど強まっていくだろう。そういう意味でW杯の常連国であるオーストラリアは格好の試金石でもあるが、とにかく勝たないことには始まらない状況であるのも事実だ。

 多くの報道で、森保一監督の進退がかかる試合とも見られるオーストラリア戦に臨むにあたり、指揮官に求めたいのは変える決断を留まらないこと。それはシステム変更であったり、選手起用であったり、選手の中だけで解決できない領域のところだ。もちろんロジカルな理由なく何かを変えないといけないということではなく、オーストラリアに勝利するためのロジカルな理由ありきの話だ。
 
 本来4-2-3-1の中で相手との噛み合わせに応じたメカニズムを共有して、それこそ森保監督が就任時から掲げる"臨機応変"な戦い方をしていけるなら問題ないが、それができていない実情がある。そうであるなら対戦相手にハメやすい形や幅広く対応しやすいシステムに変更するのは有効だろう。

 例えば森保監督の代名詞でもあった3-4-2-1はよりピッチを幅広くカバーでき、必要なら5バック気味にして凌ぐこともできる。4バックでも3人のボランチを中盤に並べる4-3-3なら、ビルドアップで3枚で回すことが多い相手のバックラインに前線からプレッシャーをかけ、なおかつジャクソン・アーヴァイン、アルディン・フルスティッチ 、トーマス・ロギッチという中盤の三枚に対応しやすい。

 実際にハリルジャパンのベストゲームとして語り継がれる2017年のオーストラリア戦も山口蛍、長谷部誠、井手口陽介の3人で相手の中盤を封じ、そこから素早い攻撃につなげた。グラハム・アーノルド監督が率いる現在のオーストラリアも、当時アンジェ・ポステコグルーが率いたチームの基本スタイルを継承しており、抑えどころ、突きどころに共通するところがある点で参考になる。

【PHOTO】必勝のオーストラリア戦に向けて練習を実施した日本代表!
 

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