なぜマジョルカは久保建英と同じタイプの韓国代表イ・ガンインの獲得に動き、争奪戦に勝てたのか? 番記者が語る“タケの影響”【現地発】

2021年10月06日 エレナ・ガルシア

全く想定していなかったイ・ガンインの獲得

マドリー戦で初めて同時に先発した久保とイ・ガンイン(左)。日韓コンビの共演は45分のみに終った。(C) La Liga

 久保建英がレンタルで復帰したマジョルカが、移籍市場最終盤に獲得したのが韓国代表MFイ・ガンインだ。なぜ久保と同じ技巧派のレフティの獲得に動き、国内外のライバルとの争奪戦を制すことができたのか。地元紙『Diario de Mallorca』でマジョルカ番を務めるエレナ・ガルシア記者に訊いた。

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 タケ・クボ(久保建英)の獲得はマジョルカに大きな利益をもたらした。アジア市場に進出し、当地の企業とのスポンサー契約を結ぶきっかけとなった。つい1か月前にも日本のメーカー『タイカ』との契約締結を発表したばかりだ。

 したがって今回のイ・ガンインの獲得においてもそうした"アジアマネー"が影響したのは事実だ。しかもタケとは異なり、4年間の完全移籍での加入だ。日本と韓国とでは勝手が違う部分もあるだろうが、お互い手を携えて様々な試みを実施していこうという考えで一致している。

 マジョルカは当初イ・ガンインの獲得を全く想定していなかった。実際、タケやフェル・ニーニョらが加入し、攻撃的なポジションの補強はすでに完了していると思われていた。イ・ガンインも2022年6月に契約が満了するまでバレンシアに残留する選択肢を捨てていなかった。

 しかし、マルコス・アンドレの入団が決定的となったことで状況が一変。バレンシアはEU圏外枠を空けるためイ・ガンインの契約を解除することを決断し、そこでマジョルカが迅速に獲得に動いたわけだ。

【動画】ヒールでボールを浮かせて…久保建英が披露した驚愕のテクニック
 
 当然、他のクラブとの激しい争奪戦となったが、その際に大きくモノをいったのが、ラ・リーガでプレーし続けたいというイ・ガンインの強い意思だ。これで海外のクラブが自動的に選択肢の中から消え、さらに2シーズン前にもタケを迎え入れ、好印象を残した"実績"がマジョルカへの移籍に気持ちを傾かせた。

 こうして移籍期限が近づくなかでの駆け込み移籍だったにもわらず、イ・ガンインは継続的に出場機会を得て、才能の片鱗を見せている。初めてスタメンに起用されたレアル・マドリー戦ではチームが大敗(1-6)を喫する中、1得点をマーク。アピールに成功すると、続くオサスナ戦、レバンテ戦でも先発出場を果たしている。
【動画】マドリーの守備網をドリブルで突破し、強烈な左足ショット! 久保が起点となったイ・ガンインのゴラッソをチェック!

 そのマドリー戦で開幕以来、攻撃を牽引してきたタケが負傷で交代。現在戦線離脱を余儀なくされており、新たな攻撃の柱として相対的に期待値が高まっている。

【動画】さすがのクオリティ!久保建英が巧みなダブルタッチで出した絶妙の縦パス

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