【J1採点&寸評】FC東京×清水|壮行試合で武藤は1アシスト。2ゴールの前田がカズ超えを果たす

2015年06月27日 サッカーダイジェスト編集部

ダンケシェン、武藤。“ラストゲーム”で有終の美を飾る。

【警告】FC東京=なし 清水=なし
【退場】FC東京=なし 清水=なし
【MAN OF THE MATCH】前田遼一(FC東京)

【試合内容】
 4万人近い大観衆が詰めかけた武藤の壮行試合で、立ち上がりからペースを握ったのはアウェーの清水だった。FWのP・ウタカ、中盤センターの水谷、金子を中心にチャンスを作り出すが、ゴールには至らない。
 
 30分過ぎから試合は膠着状態となり、ラインを引いて守っていたFC東京も速い仕掛けから敵陣内に攻め込むようになる。そして38分には、梶山のスルーパスから東が先制弾を叩き込む、FC東京のリードで前半を折り返した。
 
 後半に入り清水が一旦は1-1に追いつくも、そこで落胆することなくFC東京は前田の2ゴールで突き放す。終盤に1点を返されるが、粘り強く守ったホームチームが3-2で勝利。武藤の壮行試合に花を添えた。

【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・17節

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【チーム採点・寸評】
FC東京 6.5
ペースを握れない時間帯もあったが、守備をベースとした戦い方で清水を撃破。マインツへ移籍する武藤にはなむけとなる白星だった。
 
清水 5.5
崩しの形は作るも、最後の決定力を欠く。前からプレスを掛けられないと、あっけなく最終ラインが崩壊する。"良いサッカー"は見せながら、攻守で課題は山積。

【FC東京|採点・寸評】
GK
1 権田修一 5.5
全体的に落ち着いていたとはいえ、2失点は減点の対象になるだろう。8節の新潟戦を最後にリーグ戦で完封がないのはやや気掛かり。
 
DF
2 徳永悠平 6
安定した走力と守備でP・ウタカや大前から自由を奪う。いつも以上に気合いが入っていた印象で、フィジカル勝負にも果敢に挑んでいた。
 
3 森重真人 5.5
P・ウタカに決定機を与えるなど1対1の対応に珍しく不安を覗かせた。疲労が溜まっていたのか、オフェンス面で顔を出す回数も限られた。

6 太田宏介 6.5
22分に強さと速さを利して枝村をぶち抜く。縦の関係を築いた東の好フォローを追い風に後半も躍動し、66分にはクロスからアシスト。
 
29 吉本一謙 5.5
空中戦で無敵の強さを見せた一方で、清水の速いパス回しに剥がされる稚拙さも。より安定感が高まれば不動のレギュラーになれるが。

MF
4 高橋秀人 6
最終ラインとの距離感を確かめつつ、前半ロスタイムには機を見た攻撃参加でミドル。脇役に徹しながらも、タフに仕事をしていた。
 
8 三田啓貴 5
組織の中に埋もれてしまい、持ち前の個人技を発揮できなかった。親友・武藤の壮行試合で力を出しきれなかったのは明らかに無念。
 
10 梶山陽平 6.5
がっつりとしたタックルでボールを奪い返し、東へ絶妙なスルーパス。38分のアシストは激しさと上手さが融合した好プレーだった。
 
38 東 慶悟 6.5
38分に本人も待ちに待った今季リーグ初得点。GKを華麗にかわす技巧で会場を沸かした。献身的に守備もこなし、ハイスペックな出来。
 
FW
14 武藤嘉紀 6
65分に粘り強いキープから前田の勝ち越し弾をアシスト。厳しいマークのなか最低限の仕事はした。マインツでの奮闘も期待したい。
 
20 前田遼一 7
60分に武藤のお膳立てから勝ち越し弾を決め、66分には太田のクロスからヘッドで追加点。J1通算140ゴールとカズ超えを果たした。完全復活を予感させる働きで、MOMに輝く。
 
交代出場
MF
22 羽生直剛 6
声で味方を上手く動かし、中盤を整えた。独力で違いを生み出せるキャラではないが、チームに与える影響は間違いなく「大」だった。
 
FW
18 石川直宏 5.5
左サイドから何度か仕掛けてチャンスを作ったものの、ゴールにはつながらず……。武藤の「憧れの先輩」として結果を出したかった。
 
MF
37 橋本拳人 ─
83分に鮮やかなボールコントロールから鋭いスルーパス。徐々に出番が増えて自信が付いたのだろう。だいぶ気負いがなくなってきた。
 
監督
マッシモ・フィッカデンティ 6.5
完璧な守備組織とは言えず、終盤は追いつかれそうな雰囲気もあった。それでも逃げ切って結果を出したのだから、一定の評価は与えていい。

次ページスタイルは貫いたが、最下位。勝利から見放されすぎている。

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