U-10では1シーズンに96得点を記録! 悩めるバルサに勢いを与える17歳MFはペドリに続けるか

2021年09月30日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

クラブ史上4番目の若さでトップチームにデビュー

11歳からバルサでプレーするガビ。判断スピードに優れたMFだ。(C)Getty Images

 苦境のバルセロナに希望の光を灯しているのが若手の台頭だ。

 なかでも、先月17歳になったばかりのガビ(2004年8月5日生まれ)が、溌剌としたプレーでチームにダイナミズムをもたらしている。特筆すべきは、プレスに奔走し、スペースに走り込み、パスを要求する積極性だ。昨シーズンに大ブレイクを遂げたペドリ(18歳)とはまた異なる輝きを放っている。

 ガビはセビージャ県、ロス・パラシオス・イ・ビジャフランカの出身。ベティスのカンテラで頭角を現わし、ベンハミン時代(U-10)には1シーズンに96得点を記録したこともある。そして、レアル・マドリーやアトレティコ・マドリーも獲得に動く中、ひと足早く動いたバルサが争奪戦を制する形で、2015年夏に入団合意を取り付けた。

 バルサ加入後、ガビの成長はさらに加速した。早々にアレビンA(U-12)の一員としてカステジョンで開催された大会に参加。古巣ベティスとの顔合わせとなった決勝でゴールを挙げるなど、優勝に貢献し、大会MVPに選出されている。

 2018年からはスペインの各年代別代表でプレー。そしてトップチームへの登竜門であるバルサBに今年2月にデビューすると、その半年後には今度はクラブ史上4番目の若さでトップチームにデビューを遂げた。

【動画】バルサの新10番、18歳ファティの鮮烈復活ゴール
 若手が台頭するには、プレーしやすい環境を整備することが重要であると言われる。チームの好調な波に乗る形で負担がかからないように、徐々に持ち味を発揮させるという考え方だ。その意味で、いまのバルサはまったく正反対の状況だが、ガビはその中でむしろ周囲に勢いを与える役割を果たしている。

 7節のレバンテ戦(バルサが3-0で勝利)では、そのガビを筆頭に、復活ゴールを決めた新10番のアンス・ファティ(18歳)、ニコ・ゴンサレス(19歳)、ロナルド・アラウホ(22歳)、オスカル・ミンゲサ(22歳)、エリク・ガルシア(20歳)と、多くの若きカンテラーノ(下部組織出身者)が好プレーを披露。現在故障離脱中のペドリの復帰も時間の問題と伝えられている。

 迷走を繰り返しているバルサだが、ロナルド・クーマン監督が再三、「時間的猶予の必要性」を主張するように、うまくマネジメントすれば、ふたたび魅力的なチームを形成できる素材が揃っていることは確かなようだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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