「リーダーの貫禄すら漂わせた」古巣に挑んだ久保建英をマジョルカ番記者が絶賛!「特に目についた」のは決定機演出シーンではなく…【現地発】

2021年09月22日 エレナ・ガルシア

「相手の脅威になり続けた」

古巣のビジャレアルを相手に堂々たるプレーを披露した久保。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

 ラ・リーガ第5節、マジョルカはビジャレアルと対戦した。タケ・クボ(久保建英)が昨シーズンの前半戦にレンタルでプレーしたチームであり、敵将のウナイ・エメリは、十分な出場機会を与えなかったことで半年足らずで退団する原因を作った指揮官だ。

 その古巣を敵に回し、復帰後初ゴールはまたしてもお預けとなったものの、タケは攻守にわたって随所にまばゆい輝きを放った。ガルシア・ルイス・プラサ監督は右サイドハーフに配置。スピードとパワーを兼ね備えた相手の左サイドバック、ペルビス・エストゥピニャンと激しいマッチアップを繰り広げながら、組み立てに顔を出し、ドリブルで突進し、高精度のクロスを送り込んだ。

 この日、特に目についたのが守備面での働きだ。ビジャレアルが試合をコントロールし、とりわけ前半、マジョルカは守勢に回る時間帯が多かったが、そんな中、タケは自陣の深い位置まで下がってボール奪取に奔走。試合を通してのその回収数はチーム3位の6を記録した。

 後半に入ると、マジョルカが徐々に持ち直し、速攻で反撃するシーンが増加。その中心にいたのがタケだった。勢いをつけたのは前半アディショナルタイムでのプレーだろう。

 ドリブルで持ち込み、ダニ・ロドリゲスに右足でパス。ガリシア出身の33歳のダイレクトで合わせたシュートは惜しくも枠を捉えることができなかったが、相手DFを十分に引き寄せて、味方がフリーでシュートを打てる状況を作り出す見事なプレーだった。
【動画】味方のシュートミスに久保が思わず天を仰ぐ…ドリブルで3人を引き付けて出した絶妙の右足パス
 
 79分にはゴール前での切り返しで相手選手3人を同時に翻弄。間髪入れずに放ったシュートはビジャレアルの黄色い壁に跳ね返されたが、鋭く深い切り返しだった。さらにオフサイドでゴール取り消しとなった直後の82分にも右足でシュートを見舞うなど、相手の脅威になり続けた。

 そのプレーは弱冠20歳のそれではなく、リーダーとしての貫禄すら漂わせるものだった。実際、この日のマジョルカのチャンスにはことごとくタケが絡んでいた。結局、両者譲らず試合はスコアレスドローの痛み分けに終わったが、古巣相手に、因縁のある指揮官の前でこの1年の間に成長した姿を見せつけた。

【動画】久保建英が躍動!古巣ビジャレアル戦のプレーをチェック


【動画】ヒールでボールを浮かせて…久保建英が披露した驚愕のテクニック

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