「シュートは打とうと思えば、なんでも打てる」勝点1を“3”にするために相模原・高木監督が求めること

2021年09月18日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「相手がファウルしたらPKになるエリアで逃げていてはダメ」

29節を終え、総得点17はリーグワーストの数字。現役時代は“アジアの大砲”の異名をとった高木監督の指導のもと、得点力をいかに高められるかが残留のカギになる。(C)SOCCER DIGEST

 ゲーム形式のメニューで、ある選手がゴール前で味方からの浮き球のパスを胸でトラップして、相手を背負った状態でキープする。このワンプレーに相模原の高木琢也監督が指示を飛ばす。

「ワンタッチで前を向いてシュートで!」

 練習後にその意図を訊けば、次のように明かしてくれた。

「スペースがあるからそこに止めただけ。あれは前を向いて止めてほしい。後ろに止めてもシュートは打てない。考え方の違いはあるかもしれませんが、シュートは打とうと思えば、なんでも打てる。ゴール前はキープではない。相手がファウルしたらPKになるエリア。そこで逃げていてはダメですよ」

 8月上旬のリーグ再開以降、相模原は6試合を消化して2勝3分1敗。着実に勝点を積み上げることができている。スタンディングでは最下位に沈んでいるが、残留圏の18位大宮とは勝点2差。悲観すべき状況では全くない。

「一喜一憂しないで」と話す高木監督も「再開後は、ある程度のレベルのゲームをずっとしている」と、チームの成長と戦いぶりに確かな手応えを感じている。
 
 あとは、いかに勝ち切るか。

「点を取れなければ引き分けとか。どのゲームでも勝てる可能性はあった。それを現実的に変えていかないと」

 0-0のスコアレスドローに終わった前節の長崎戦を、指揮官は「早いタイミングでクロスを入れて、そこそこのチャンスは作れていた」と振り返る。

 チームとして攻撃面の共通理解は深まり、相手ゴール前に迫ることはできている。「そこで得点につなげるためには、個人の能力が少し必要になってくる」。次節の山口戦でも強調するのは「得点」だ。個々のスキルの部分はもちろんだが、なにがなんでもシュートまで持っていく強引さで、相手ゴールをこじ開けて白星を掴みたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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