【連載】識者同士のリーガ放談「鮮烈な印象を残した若手といえば?」

2015年06月22日 豊福晋

もっともインパクトがあったのはバレンシアのガヤ。

バレンシアでブレイクを遂げた20歳の新鋭ガヤ。来年のEUROの登録メンバー入りをロホ記者は期待する。 (C) Getty Images

豊福晋:シーズンが終わって、選手はバカンスですね。もちろん、コパ・アメリカ出場組を除いて、ですが。さっそくピケが、海でフライボードをやって、メディアを騒がせていましたね。怪我したらどうするんだと。
 
ルイス・フェルナンド・ロホ:まあ、いつものことだ(笑)。今年は例年になく休みが長い。CL決勝後のスペイン代表戦に出なかったイニエスタは、5週間くらいバカンスがある。しっかりと休んでもらいたいね。
 
豊福:5月23日でシーズンが終わったレアル・マドリーの選手にはもっとあります。新シーズンのキャンプは7月12日開始だから、最長で49日間。代表戦に出なかったベンゼマ、モドリッチ、ペペ、ヘセ、イジャラメンディなどがそうですね。
 
ロホ:一方でバルサはメッシ、ネイマール、ダニ・アウベス、ブラーボがコパ・アメリカに出ている。7月4日の決勝まで進めば、バカンスはほとんどなくなってしまう。
 
豊福:そう考えると、南米組主体のバルサはコンディショニングに苦しむかもしれませんね。スタートでマドリーに差をつけられる可能性は否定できない。
 
ロホ:ベニテスはコンディショニングにはこだわる監督だから、マドリーは序盤で首尾よくアドバンテージを築くかもしれない。
 
豊福:さて、改めて14-15シーズンを振り返って、鮮烈な印象を残した若手、あるいはサプライズを提供した中堅といえば、どんな名前が挙がりますか?
 
ロホ:もっともインパクトがあったのは、バレンシアのガヤだね。スピードがあって、クロスもいい。バレンシアの左サイドの攻撃に欠かせない選手だった。
 
豊福:守備もしっかりこなしていましたよね。意識が高くて。性格的に真面目なところもあるし、これからが楽しみな20歳です。
 
ロホ:スペイン代表にも招集されたし、その点でも期待したいね。
 
豊福:それにしても、スペイン代表の左サイドバックはタレントがひしめいていて、ポジション争いが強烈です。ガヤの前にいるのが、ジョルディ・アルバとファン・ベルナト。しかも、それぞれ26歳と22歳と若い。あと、モンレアルだってまだ29歳ですから。
 
ロホ:ただ、勢いではガヤだよ。来年はEUROがあるだろう。もっともっとブレイクして、メンバーに入ってもらいたね。
 
 同じバレンシアのオタメンディ(27歳)はサプライズだったな。期待をいい意味で裏切ったよ。最高のパフォーマンスを見せたね。
 
豊福:リーガのナンバーワンCBだったんじゃないでしょうか。
 
ロホ:バレンシアはいい買い物をしたよ。リーガで最高の新戦力だったんじゃないか。高いし、速いし、集中力もある。さっそく、プレミアのビッグクラブが目をつけている。リーガから出て行ってしまうのは残念だな。

次ページ32歳にして今が旬なクローン=デーリ。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事