ブンデス日本人所属クラブの補強動向|シャルケ編「狙うは内田の控え候補と司令塔」

2015年06月22日 遠藤孝輔

日本代表サイドバックの“共演”は現実味を帯びていない。

新監督のブライテンライターは、就任会見で「素晴らしい選手が揃っている」と既存戦力への信頼を口に。今夏の刷新はそれほど大きな規模にはならないだろう。 (C) Getty Images

シャルケ
2014-15シーズン成績 6位(13勝9分け12敗/42得点・40失点)
 
 10日前にブライテンライター新監督の就任が決まったとおり、最優先課題は指揮官のリクルーティングだったため、ここまでに実現した今夏の新戦力確保はゼロ。動き出しの鈍さは否めないが、新監督は既存戦力に大きな信頼を寄せているようだ。
 
 したがって、可能性が高いのは大幅な陣容刷新ではなく、理に適ったピンポイント補強の敢行だ。
 
 フロントが注力するのは内田の控えにスペシャリストが不在の右サイドバック獲り。本命はブルガリア王者のルドゴレツに所属するカイカラで、ベルギー王者のクラブ・ブルージュで異彩を放つムニエもスカウティングしている。
 
 ともに抜群の攻撃性能が売りで、前者は左サイドバックにも対応する柔軟性、後者は190センチという高さも兼備。内田にとっては強力なライバルとなりうる。
 
 一方、フクスが退団した左サイドバックは、ドイツで「ラームを思わせる」と紹介された長友獲りの噂が浮上したが、コラシナツにアオゴと2枚の実力者を擁しており、急を要する補強箇所にはなっていない。
 
 そもそも長友の代理人がインテル退団を否定済み。日本代表サイドバックの"共演"は現実味を帯びていない。
 
 より優先順位が高いのは、現スカッドに不在の司令塔だ。すでにマインツのガイスに対し、移籍金1200万ユーロ(約16億8000万円)、年俸400万ユーロ(約5億6000万円)の4年契約という条件を提示している。
 
 ドルトムントやラツィオも狙うこの人気銘柄を逃した場合は、レアル・マドリーが保有権を持ち、昨シーズンのデポルティボで台頭したスペインU-21代表のホセ・ロドリゲスへのアプローチを強める見込みだ。
 
 ここにきて急浮上しているベルギー代表MFメルテンス(ナポリ)の獲得に本腰を入れるのは、ドラクスラーがプレミア方面(アーセナルが最有力)に新天地を求めた場合に限られるだろう。

≪今オフの移籍≫
[IN]
 
[OUT]
DFフクス(→レスター=ENG)
DFキルヒホフ(→バイエルン)◆
MFバルネッタ(→未定)
FWオバシ(→未定)
◆=レンタルバック
 
文:遠藤孝輔
 
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