【ACLラウンド16】指揮官も語る川崎にとっての大一番。敵地で前回覇者を破れるか

2021年09月14日 本田健介(サッカーダイジェスト)

ルヴァンカップ敗退を糧に

悲願のアジア制覇に向け、鬼木監督は「ここが大一番」と気合いを入れる。(C)SOCCER DIGEST

ACLラウンド16
蔚山現代-川崎フロンターレ
9月14日(火)/20:00/蔚山文殊フットボールスタジアム

 今大会は新型コロナウイルスの影響でイレギュラーな形で行なわれるが、川崎にとってACL制覇は悲願である。その想いが表われるように、6月末から7月にウズベキスタンで集中開催されたグループステージは、中2日での6試合を全勝(27得点・3失点)し、グループIをトップ通過した。

 一発勝負となるラウンド16は、グループFを全勝で首位通過した蔚山と対戦する。組み合わせは仕方ないが、なぜグループステージを全勝で勝ち上がったチーム同士が、川崎にとってアウェーの韓国で戦うのか、腑に落ちない部分はある。それでも平時ではないだけに、今は過酷な状況でも勝ち抜く力強さを身に付けなければいけないのだろう。

 川崎は9月5日にはルヴァンカップ準々決勝の第2戦、浦和戦を戦い、2試合のトータルスコアで4-4(第1戦[浦和ホーム]は1-1、第2戦[川崎ホーム]は3-3)ながら、アウェーゴールの差で敗退した。相当に高い目標として前人未到の4冠を目指していただけに、そのひとつを失ったショックは小さくないだろう。

 浦和との第2戦は試合終盤まで3-1とリードを得ながら連続失点。敗退とともに、課題の残る試合となった。三笘薫、田中碧の夏の欧州移籍、怪我人の続出と、チーム状況は芳しくなく、浦和戦から上手く切り替えられるかはひとつのポイントだ。

 その点をジェジエウは「(浦和戦は)受け入れがたい結果で、アクシデントに近い失点であのような試合になってしまいました。ただあの結果が、逆に自分たちのモチベーションを高めたのではないかなと思います。もう一度、ゲームの締め方として試合中もチームメイトと集中力を高めていかなくてはいけないと再認識しました。違う大会になりますが、このチャンスを逃さないようにしっかり勝ちたいです。フロンターレの力をまた皆さんに示したいです」と話す。

 また橘田健人は「試合の終わらせ方、時間を稼ぐとか、無理をせずに前に蹴るだとか、そういう点はチームの反省として出ました。個人としてもシンプルに前に行って時間を稼いだほうが良いところの判断だとか、そういう部分ではレッズ戦で経験できたことを生かしたいです」と振り返る。
 
 同じく悔しき敗退をポジティブな要素に変えたいと口にするのは鬼木達監督だ。

「すべてのタイトルを目指していましたし、落ち込むことはあるだろうという話は選手にしました。ただ今回(蔚山戦は)、その経験を生かせるゲームだと自分は思っています。選手にもそういう話もしました。頭で理解していても、グラウンドですぐ反映させて結果に結び付けられるかは分かりません。

 ただ(浦和戦の)結果がこのタイミングできたので、なんとか目標であるACL優勝に結び付けたいですし、皆さんが言うようにここが大一番だと認識しています。なかなか怪我人も多いですが、チーム一丸となって自信を持って戦いたいです」
 

次ページ怪我人は戻ってこられるか

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事